みかん小説
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"20人の宴会、妻は2つの鞄を用意していた" 第8話

20のうちの1

佳代と会ったのは、その2だった。駅かられた喫茶の奥で、佳代は注文した茶にもをつけず、スマートフォンを両で握っていた。

「宴会の料理を撮って、友に送るつもりだったんです。だから最初は、ろに何が映っているか気づきませんでした」

佳代が再した画は1分12秒あった。豪華な料理を映していた画面が途でキッチンへき、に膝をついて布巾をかける美紀の姿を捉える。

画は編集アプリを通しておらず、撮報が元のファイルに残っていた。佳代は複製ではなく、撮した端末そのものを持参している。彩が確認用にファイルをコピーし、佳代は原本を消さないと約束した。

敏子の声もはっきり入っていた。

〈隅まで拭いて。お客様ので恥をかかせないでちょうだい〉

その直、踏み台に乗った優奈が皿を持ちげる。皿が傾くと、敏子は笑いながら客たちに言った。

〈この子にも今から仕込んでるの。お嫁さんと孫は、のことができて初めて役につでしょう〉

笑い声が3つほどなっていた。佳代自の声は聞こえない。それでも彼女は画面を止め、げた。

「止めることはできたはずです。優奈ちゃんのも見ました。でも、敏子さんとの関係が悪くなるのが怖くて、見ないふりをしました」

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佳代は宴会の途、美紀に「丈夫?」と声をかけようとしてやめたという。敏子が友たちに無料の事や贈り物を振るい、気に入らないの悪を別の集まりで広めることをっていたからだ。

「私も、敏子さんがだから逆らえなかったと言い訳していました。でも5歳の子が逆らえないのとは、まったく違います」

美紀は膝のに置いたを見た。傷を撮した写真を見せるより、佳代の謝罪を聞くの方が表かった。傍観した悔まで受け止める義務は、美紀にはない。

美紀はすぐに許すとは言わなかった。ただ、元データを警察へ提してよいか確認した。佳代は頷き、宴会の連絡に使われたグループチャットの画面も見せた。

参加予定者の欄には20の名が並び、敏子が〈息子夫婦のだから、会代はかかりません〉といている。料理業者への注文、酒の銘柄、午2の集まで残っていた。

さらに宴会、1が〈お嫁さんのお伝いをしましょうか〉と尋ねると、母は〈あのの仕事を取ったらかわいそうよ。全部任せて丈夫〉と返信していた。当だけ偶然、美紀が皿洗いをしたのではない。母は初めから、20分の片づけまで妻にさせるつもりだった。

「持ち寄りの普通の集まりだった」という母の説とは致しない。

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管理会社にも確認すると、当の防犯記録には午142分から218分までに20が入館し、私が管理へ連絡した、全員が退する様子が映っていた。誰が何をしたかまで分かる映像ではないが、数と滞は確認できる。

私は管理会社へ正式な保依頼をし、映像がきされるに必な範囲を保全してもらった。母の言葉だけを否定するためではない。美紀と優奈が、再び「そんなことは起きていない」と言われないようにするためだった。

佳代がグループ内で画の提を伝えると、そののうちに12が退会した。4は美紀へ謝罪のメッセージを送り、3は何も答えなかった。そして1、佳代だけが自分の名して事を話すと申した。

美紀は届いた謝罪を眺めたあと、スマートフォンを伏せた。

「謝ってほしかったはずなのに、議ね。今は、優奈が見たことを誰にも嘘にされない方が事」

帰り、美紀は画とチャットの写しを警察へ送った。翌の午、担当者から連絡が入る。

母に、改めて事を確認することになった。

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