みかん小説
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"20人の宴会、妻は2つの鞄を用意していた" 第14話

謝罪だけでは戻れない

「これは、許してもらうためにいたの?」

美紀の問いに、私はすぐ答えられなかった。

正しい言葉を選べば封をけてもらえるのではないか。どこかで、そんな結果を期待していた。私は度息を吐き、封筒を美紀のから自分の側へ戻した。

「許してもらうためにしたら、また美紀に答えを求めることになる。これは、私が自分のしたことを言い換えないためにいた」

美紀はしばらく私を見たあと、封筒を受け取った。ただし、そのではけなかった。

翌週の夫婦カウンセリングで、美紀は初めて私と同じ部に座った。丸いテーブルを挟み、席の距は1メートルほどあった。担当者は復縁を勧めず、宴会のから何が変わり、何がまだ変わっていないかを順番に確認した。

私はいた11か線を読みげた。最初の求救を「慣れないだけ」と退けた。美紀のやけどより張を優先した。優奈の器洗いを訴えられ、「仕事に揉め事を送るな」と返信した

そのにも、見落としていた来事はいくつもあった。美紀が袖ばかり着るようになったこと。優奈が夕に「お皿はない?」と確認するようになったこと。帰宅すると部が異様にっていたのに、私は母が事を助けてくれているとって礼まで言っていた。

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線には、母がしたことだけでなく、そのの私のも並べた。〈張先で既読にした〉〈母の説だけを聞いた〉〈美紀へ謝らせて話を終わらせた〉。すと、私はだったのではなく、毎回楽な側を選んでいたことが分かる。

らなかったのではありません。聞いたのに、自分に都のいい説を選びました」

美紀はそこで初めて封筒をいた。便箋には謝罪の言葉より、私がした判断と、その結果として美紀と優奈に起きたことをいていた。

のあなたなら、最に『でも仕事も変だった』っていたとう」

「今も仕事が変だったことは事実だ。でも、それを免除の理由にしたのは私だ」

担当者が私に尋ねた。

「お母様と奥様のに挟まれていた、と今もいますか」

なら迷わず頷いていた。だが、妻の訴えを母へ確認せず退け、母の求だけを妻へ伝えていたを、に挟まれたとは言えない。

「いいえ。私はっていませんでした。母の言葉を美紀に受け入れさせる側にいました」

美紀は便箋から目をげた。許しではなかったが、初めて私の説を最まで聞いた。

美紀は許すとは言わなかった。それでも、1回の夫婦カウンセリングと、毎週の朝を3で取ることには同した。

最初の、私は午8ちょうどにパンと牛乳を持って訪ねた。

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美紀の許るまで玄関ので待ち、事のは自分の皿だけでなく、使った調理器具まで片づけた。

2週目は、優奈が好きな卵料理を作った。くても「次は直す」と言い、美紀に作り直させなかった。3週目、会社から話が来たは席をさず、緊急でなければで折り返すと伝えた。

4週目、美紀が仕事の資料を読んでいたので、私は優奈と2で買い物へった。以なら「ママも緒に」と言って、美紀に予定を変えさせていた。優奈はで何度も母親への産を選び、最さなプリンを1つ買った。

帰宅しても、美紀はそのを褒めなかった。特別な善ではなく、父親として当然のことだからだ。私は評価を求めず、買った物と釣り銭を共のアプリへ記録した。

優奈は私たちのに座ったが、会話が途切れるとそうに顔を見比べた。私は沈黙を埋めるために母の話や謝罪を始めず、幼稚園で育てている朝顔について聞いた。

は40分で終わった。帰り際、美紀は「来週も同じで」と言った。

それは帰宅の許ではない。それでも、決めた約束を次の週も守る会をもらえた。

期賃貸の2か契約が終わるも、私は自宅へ戻れるか尋ねなかった。契約を延し、具のない部で暮らし続けた。美紀が何も言わないことを、暗黙の許に置き換えないためだった。

私は期賃貸へ戻り、帳の予定欄にの午8を記入した。1度の謝罪ではなく、同じを何度続けられるか。美紀が見ているのは、そこだった。

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