"毎月20万円送っていたのに、82歳の母は皿を洗っていた" 第2話
鉄の箱に残っていたもの
ふみは迎えのを見ても、いつものバスへ向かった。健は運転に連絡し、母のろに並んだ。先ほど聞いた14というさを、まだ自分の活に結びつけられずにいた。
バスは内の古い商を通り、40分ほどで宅に着いた。母はりるに膝を軽く押さえた。健がを差しすと、今は丈夫、と言ってすりを使った。
の奥ので戸がき、作業の男がてきた。片にドライバーを持ち、もう片方ので母の鞄を受け取る。48歳になった弟の勝だった。
「お帰り。扇、直ったよ」
勝は健に気づくと、鞄を受け取った姿勢のまま止まった。
「……何しに来たんだ」
「堂で母さんに会った。話を聞きたい」
勝は母を見た。ふみが戸をけておきなさいと言うと、ようやく体を横へずらした。
のは片付いていた。卓の隅には修理の伝票がねられ、棚には薬の袋がててある。健は子に座って、古い扇から送られてくるを受けた。勝が置いたたいのコップには、さな欠けがあった。
「お母さん、病院に通ってるのか」
「血圧と膝。3は肺炎で15入院した」
健はコップをへ運ぶのをやめた。
「入院まで? どうして……」
勝の目を見て、その先をみ込んだ。
「連絡はしたよ。あの頃のことは、あとで見せる」
勝は子を引き、向かいに座った。
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兄を責める言葉を探しているのではなく、何をどこから話すか考えているようだった。
「母さんから聞いた。兄貴は今もを送ってるつもりだったんだな」
「毎20万円。私用の支払いを管理する会社に続きを任せてた。僕の座からは、ずっとている」
勝はし黙ってからちがり、棚の段から角のへこんだ鉄の箱を取りした。ふみのへ置き、蓋には触れずに尋ねる。
「見せてもいい?」
ふみは鞄を膝からろした。
「私から頼むよ。来ていないおがどこへったのか、確かめておくれ」
箱には青い計簿が数冊と、使い終わった通帳が入っていた。ふみは古い1冊を選び、健の方へ向けた。細かい文字で気代、米、薬と並び、そのに『健から』という欄があった。
最初は20万円だった。し先のページでは5万円になり、やがて額の代わりに横線が引かれていた。
「これは、待っていたという印?」
「末に確かめて、入っていなかっただよ」
ふみは横に通帳をいた。計簿に5万円とかれたには、通帳にも同じ額が記されている。横線のあるには、対応する入がなかった。
母が記憶だけで話しているのではないと分かった。健は付を指で追い、次の通帳もいた。
「途で別の座に変えたりは?」
「変えてないよ。も、昔からここに入る」
勝が、薬袋の横にあった封筒を引き寄せた。
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通院の領収と、の支払いを記したが入っている。
「だけじゃりないは俺がした。でも、俺の仕事にも波がある。病院へ連れていくは、受けられない修理もあった」
「だから堂へ?」
ふみはし考えてから答えた。
「自分で払えるものは払いたかったんだよ。あのは、膝が痛いも座ってやれる仕事を残してくれたからね」
健は厨で言った言葉をいした。自分は、母を支えていた所から理由も聞かず連れそうとした。
「この記録を写してもいい? 原本はここに置いておく」
母がうなずいた。健は必なページを撮し、スマートフォンで自分の座をいた。支払先には、利用している管理会社の名が表示された。
直の細を拡して、2に見せる。
『族活費 200,000円』
勝はそれを見て、自分が持っていた母の通帳をすぐ隣へ置いた。同じの欄には、と公共料の引き落としが並んでいた。
健からの20万円だけが、なかった。
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