"毎月20万円送っていたのに、82歳の母は皿を洗っていた" 第7話
180回の振り込み
と話した翌朝、健は約束したに母を迎えにった。勝には夜、自分が付き添うと直接伝えてあった。
病院では、ふみが診察券をし、慣れた様子で待の子を選んだ。健は隣に座り、会計士からの着信に、診察が終わったら折り返すと返信した。
診察では、医師がふみに最の暮らしを尋ねた。母は膝が痛む帯と、堂の仕事を軽くしてもらったことを、自分の言葉で話した。健は途でを挟まず、隣で聞いていた。
会計を終え、次の予約票を受け取ると、母が言った。
「その、勝の仕事とならないか聞いておくれ」
「僕の予定も見て、2で相談するよ」
帰りに頼まれた買い物を済ませ、まで送った。をりる、ふみは助かったよ、と言った。健はその言葉にい返事をせず、鞄を玄関の内側へ置いた。
数、部の会計士が、度ごとの資料をつないだ集計表を持ってきた。健が母と再会するまでの180回について、個座の、管理会社の振込控え、母の通帳を照したものだった。
「まず、健さんの座からた活費です。毎20万円、180回で3600万円になります」
会計士はその横に、母が実際に受け取った額を置いた。
最初の6ヶは、毎20万円で120万円。次の6ヶは、毎5万円で30万円。そのの168ヶ、母への活費の振り込みはなかった。
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「受取額は計150万円です。再会に直接送った20万円は、この計算に含めていません」
健は自分で数字をした。120万円と30万円。計算はすぐ終わったのに、ペンを持ったはしばらくかなかった。
「差額は、3450万円ですね」
「はい。母親宛ての送が5万円になったから、残りの15万円がアオバへています。やがて、毎20万円の全額がそちらへ回るようになっています」
振込控えの受取欄には、アオバの社名があった。母の通帳に残る額とも致している。支払報告の『族活費』という名称だけが、最まで変わっていなかった。
健は、計簿の横線が初めて現れたページをいた。その隣には、勝が気代を支払ったというさなき込みがあった。
同じ、自分の20万円は別の会社へ渡っていた。
「アオバが、母に代わって何かを払った能性は?」
「管理会社からは、その裏付けはていません。支払方法を変える申請には『指定先へ振替』とありますが、お母様が指定した資料はありません」
健はそこで母へ話をかけ、私な支払いを会社に頼んだ覚えがあるか尋ねた。ふみは社名を聞き返し、らない会社だと答えた。
確認できた受取額を伝えると、母はし黙った。
「私の帳面と、っていたんだね」
「うん。通帳ともっていた」
ふみはそれ以、数字を聞き直さなかった。
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自分の記録が確かめられたことを、静かに受け止めていた。
通話を終えた健は、アオバとグループの取引について監査役に報告した。私な資の問題から、会社の支払先にも疑義が及んだ経緯を、資料を添えて説した。
監査役の確認を経て、会社の関連契約にも部調査が入った。資料の提窓はの部署からし、調査結果は監査役と社取締役にも届くようにした。対象資料の保全も決まり、提された契約や検収資料は複製し、確保したの原本も別に保管した。
、会社側の取引記録から、アオバのほかに港設備、浜企画という2社が挙がった。役員や過の担当者には、の元運転、親族、旧支援の職員が含まれていた。
健は名簿だけで判断せず、それぞれが何を納めたのか確認を求めた。
机に広げた支払覧で、母の活費は端の数に収まった。残りのページには、ホテル改装、設備調達、経営支援という項目が並んでいた。
3社は、母の活費とは比較にならない額をグループから受け取っていた。
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