"毎月20万円送っていたのに、82歳の母は皿を洗っていた" 第10話
まだ渡していない2億4000万円
「その申請は実せず、送られてきた状態で残してください」
健は話を切ると、監査役と報管理の責任者へ連絡した。野がした権限変更の申請は、調査に資料を提供していた職員を保管システムからす内容だった。
の廃棄覧には、照の契約の番号も入っていた。保全対象となっているため、処分は止まっているという。
健は提済みの資料を確かめた。別に保管した原本も、部調査に渡した複製も残っていた。元の棚や共フォルダから消しても、取引の記録までは消えない。
「誰が、どの資料をそうとしたのかも確認します。関係する職員には、調査への協力を続けてもらってください」
報管理の責任者は、申請の送信記録と、その直の操作履歴を保した。健は監査役に状況を伝え、対象資料の変更と廃棄を止める措置を徹底させた。
続いて財務担当者が入ってきた。には、アオバへの支払伝票があった。
「支払を倒しする依頼が来ています。専務の承認は済んでいるので、追加の確認はでよいと」
健が加えた確認をばし、先に2億4000万円を送れという依頼だった。野の名のろに、から転送されたい指示が付いていた。
『先方の資予定にわせ、優先して処理すること』
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「先ほど求めた納品の確認は?」
「現から回答が届きました」
予定されていた設備の受け入れは、まだわれていなかった。現責任者は、添付された検収にも署名していないと答えている。類にかれた完には、事そのものが始まっていなかった。
健は契約の支払条件と回答を並べた。納品を確かめるために保留していた案件は、支払いの根拠がないと分かった。
「この2億4000万円の支払いを止めてください。理由も記録して、相には法務を通じて通します」
担当者はうなずいたが、伝票を持つをし止めた。
「専務から直接、実するように言われたもですか」
「はい。私が判断したと伝えてください。説を求められたら、私につないでください」
健は指示に署名した。財務担当者はそれを受け取り、支払処理の担当者と確認を始めた。ほかの正規の支払いまで止めないよう、対象の伝票番号を読みわせる。
画面にていた予定額が、送信対象の覧かられた。
「へ送る振込データから削除しました。自で再び入らないよう、支払止の状態にしています」
報告を聞いて、健は初めて机からをした。母へ渡るはずだったおはく戻らなかった。だが、目のの額はまだ守れた。
そののうちに、関係する支払データの変更権限も見直された。
野の判断で実や受取先をき換えることはできなくなり、調査の3社への支払いには、独した確認が必になった。
夕方、から話が来た。
「取引先を潰すつもりか。急にを止められたら、向こうだって困る」
「届いていない設備の代は払えません。検収について、説を求めています」
はし黙ったあと、い声で言った。
「君は、お母さんのことで判断を誤っている」
「資料を見て判断しました」
話の向こうで何かを机に置く音がした。は、会社で直接話そうと言った。
「そのに、1つ考えておけ。私のことを表にせば、君も無傷では済まない」
健は受話器を持ち直した。
「どういうですか」
「82歳の母親を15放っておいた社だと、皆がることになる。それでも続けるのか」
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