"毎月20万円送っていたのに、82歳の母は皿を洗っていた" 第12話
計簿の次のページ
会議の央に、部調査の資料が置かれた。はいつもの席に座り、表をくに健へ目を向けた。
「族ののことで、ここまで会社を巻き込む必があったのか」
監査役が、今確認するのは会社の取引だと告げた。健は反論をねず、調査担当者に説を任せた。
画面に、過5の支払記録が映った。アオバ業務サポート、港設備、浜企画の3社について、実際の納品や業務内容と照した結果だった。
「今回までに確認できた、対価のない支払いは8億4000万円です。正規の事代を除き、複する項目も理してあります」
は資料をめくるを止めた。
会計士は、同じ器の番号を使った検収と、現の設置記録を示した。次に、成果物の提がないまま継続された業務と、実際の施会社が受注を否定した案件を説した。
それぞれに、支払と承認記録が付いていた。単に内の業者へ発注していたという話ではなかった。
「類の扱いに備があったのだろう」
はペンを置き、隣の役員へ顔を向けた。
「私がすべての納品を現で確認するわけにはいかない。担当者の報告を信じて承認するのは、皆も同じだ」
会計士は次の資料を映した。アオバ側から提供された請求の修正指示だった。が指定した額と、会社に届いた請求の額が致している。
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「この指示も、担当者に任せただけですか」
社取締役が尋ねた。は該当するページを探し、を2枚まとめてめくってから戻した。
「調のためのやり取りだ。そのを見なければ分からない」
「を含めて添付しています。どの業務に対する増額なのか、説してください」
は資料の端を押さえたが、仕事の内容を答えなかった。元のにも触れず、別の頁をいた。
会計士は、母への活費が減った期から、同じアオバへの送が続いていたことも示した。
「当は、に資を回す必があった。母親への分は、で戻せるはずだったんだ」
が言うと、健は顔をげた。
「そのについて母から問いわせが来ても、僕には伝えなかった。戻す代わりに、話を止めたんですね」
はそこでを閉じた。母の言葉が届けば、説しなければならなかった支払先が、今は皆のに映っていた。
続いて会計士が示したのは、調査にされた資料廃棄の申請と、2億4000万円の支払いを倒しする指示だった。保全対象の記録をそうとしながら、確認の済んでいないを先にそうとしていた。
「先方の資繰りが厳しいと聞いていた。それで急がせた」
「検収に払う契約ではありません」
財務担当者が、現からの回答を示した。が返事を探しているに、会計士は支払止によって2億4000万円の流を防げたことを確認した。
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これは過の8億4000万円とは別の額だった。
健は、母の計簿の写しを元で閉じた。調査のきっかけになった記録には、々の暮らしがかれている。そのさな数字をたどった先に、今の支払いがあった。
「私自も、報告を確かめる仕組みを能させられなかった。その点は改めます。ただ、確認できた正な処理について、対応を先延ばしにはしません」
の説を聞いた、会議は所定の順で採決にんだ。
専務職と業務執の担当をすこと。関連する決裁・システムの権限を撤回すること。会社資の回収と、捜査関への資料提をめることが決まった。
は子からち、秘を呼ぶために携帯話を取った。社取締役が、今の引き継ぎは指定した担当者を通すよう伝えた。が控えの資料を自へ運ぶよう指示しても、担当者はかず、監査役に確認を求めた。
「私はまだ取締役だ」
「その位については、株主総会に解任議案をします」
続いて、臨株主総会の招集が決議された。準備した株主名簿では、健が68%の議決権を保している。会社を築いたから持ち続けてきた株式だった。
は通の予定を確かめ、健を見た。健は線をそらさなかった。
次の会議の議案には、という名と、その解任が記されていた。
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