みかん小説
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"母に追い出された私が、介護を手放すまで" 第5話

悔のが、たいのように母の胸を満たしていく。 けれど、洗面所からの罵声は止まらない。

。 私のアパートのテーブルので、スマートフォンがく振した。

画面を見ると、義姉のマリからのLINEだった。

『由美子さん、休の朝に本当にごめんなさい。お義母さんの汚れた着って、いつも何の洗剤で洗っていましたか? 普通の洗濯洗剤じゃ、こびりついて全く臭いも汚れも落ちなくて……教えてもらえると助かります』

すがるような、鳴にいメッセージ。 私は窓辺の陽を浴びながら、めたコーヒーカップをテーブルに置いた。

「……何も放置して乾燥させた汚物が、普通の洗剤で落ちるわけないでしょうに」

私は指先を滑らせ、械のように徹な返信を打ち込んだ。

『専用の酸素系漂剤と酵素浸け置き用洗剤が、洗面台の最段の棚にあります。ただし、何も放置して繊維の奥まで固着してしまった汚れは度と落ちません。ですから、そのはハサミで切り裂いてゴミとして廃棄してください。しいリハビリパンツの買いしは、お兄様に頼んでくださいね』

送信ボタンを押し、私はスマートフォンを画面伏せにして置いた。 果物を買ってきて悦に入っていた兄が、ドラッグストアの介護用品コーナーで、用オムツのサイズや吸量の違いにち往する姿が目に浮かぶようだった。

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だが、彼らが直面している崩壊は、まだ序のに過ぎなかった。

週がけたの午半。 実の玄関先は、戦と化していた。

ピンポーン、ピンポーン!

「杉本様ー! デイサービスの迎、到着いたしましたー!」

迎えの介護スタッフのるい声がインターホンから響く、義姉のマリは髪を振り乱して廊り回っていた。

「ちょっと秀! お義母さんのデイサービスの連絡帳はどこなの!? 体温計は!? 着替えのバッグはどれを持たせればいいのよ!!」

は寝癖のついたを掻きながら、茶の聞をめくっていた。 「らねえよ、押し入れのどっかにあるだろ! くしろよ、を待たせたら迷惑だろ!」

「あなたも伝いなさいよ!!」

スタッフを玄関先でも待たせ、ようやく枝を子に乗せて送りした、マリは玄関のたたきにへたり込んで肩で息をしていた。 方の秀は、妻の疲弊など気にも留めず、母の寝へとに向かっていた。

(ふん、朝からガタガタうるせえ女だ。……それより、あれを確かめなきゃな)

の狙いは、最初から母の介護などではなかった。 母の「財産」だった。

き父が遺したまとまった遺産と、母が毎しているい遺族。 実に戻って同居さえすれば、それらの預男の権限で自由に管理できる。定遣い稼ぎにも、自分の遊興費にも困らない――そんな浅ましい皮算用こそが、同居をした最だったのだ。

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鏡台のの引きし。 古びた通帳ケースを見つけし、秀は誰も見ていないことを確認して素いた。

「へへっ、母さんのことだから、最でも千万円は付かずで残ってるはずだ……」

ペラリと最のページをめくった瞬。 秀の顔から、さっと血の気が引いた。

【現:¥485,210】

「……は? よ、……万……?」

は目を疑い、老鏡をかけ直して数字を凝した。 何度見直しても、桁は桁しかない。百万円でも、千万円でもない。 わずか万円。

「な、なんでだ!? 父さんの遺産はどうした!? 母さんのは毎く入ってるはずだろ!? なんでこんな端しか残ってねえんだよ!!」

の指が、過の記帳履歴を猛烈な勢いで遡る。 毎、介護保険の自己負担分、デイサービス費、訪問護費、福祉用具リース代として、万から万円が械のように引き落とされている。さらに、々の活費や医療費。 など、からへと綺麗に消えていく計算だった。

そして――秀線が、付で完全に凍りついた。

【202614 払戻:¥3,000,000】

百万円の、括現引きし。 その直から、残気に万円を割り込んでいた。

「さ、百万円……!?」

の喉から、ひきつった空気が漏れた。 その引きしの理由を、秀は誰よりも、骨の髄までっていたからだ。

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