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"母に追い出された私が、介護を手放すまで" 第13話

「杉本秀様、枝様。……私からも、現実な数字をご提示させていただきます」

苦しい静寂を破ったのは、ケアマネジャーの田さんの、どこまでも静で客観な声だった。 田さんはバインダーから、精緻な計算がき込まれたケアプランの変更見積を取りし、テーブルのへ広げた。

「先週、秀様より『夜の排泄介助ができない、も仕事があるため、部のサービスを幅に増やしてほしい』とのご請をいただきました。それに伴い、区分支限度額の再計算をいました」

さんはシャープペンの先で、項目をつずつ追っていった。

「夜の定期巡回・随対応型訪問介護を毎利用。の通所介護(デイサービス)を週に増回。さらに、はレスパイトケアとして期入所(ショートステイ)を利用するプランです。……秀様のご希望通りの介護体制を部に委託した、介護保険の介護3における区分支限度基準額を幅に超過します」

に伏したまま、恐る恐る顔をげた。 「ちょ、超過したら……どうなるんだ……?」

「限度額を超えた分は、全額、割自己負担――つまり実費となります」

さんは枚の見積を、秀先へと滑らせた。

額自己負担概算計:¥172,400】

「ひゃ……百万……!?」

の声が裏返った。

「いえ、百円です。

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これに加えて、おむつ等の材料費、配サービスの実費が毎万円。計で、毎万円以の現が確実に発いたします」

「に、万……!? 払えるわけねえだろ!! 母さんのだぞ!? 費も費も残らねえじゃねえか!!」

「ですから、これまでは由美子様が、ご自の肉体とを無償で提供することで、その【万円分の労働】をすべてで肩代わりされていたのです」

さんの声は穏やかだったが、その言が、秀枝の胸に杭のように打ち込まれていった。

「夜に起きてポータブルトイレへ誘導する。汚れた着を洗いする。減塩の流作りする。医師の指示通りに通院を管理する。……それらをすべて部のプロに委託すれば、これだけの対価が発するのは当然のことです。さらに申しげれば、由美子様は毎ご自のパート代から万円を、お母様の消耗品費として持ちしておられました」

「由美子が……パート代を……?」 枝が掠れた声で呟き、目を見いた。

「はい。私はケアマネジャーとして、ご庭の収支とお母様の活実態の性を把握しておりましたから、由美子様がどれほどの自己犠牲を払っておられたか、じておりました。……秀様。このプランで契約を結ばれますか? それとも、秀様ご自がお仕事を退職され、体制でお母様をおで介護されますか?」

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は言葉を失い、喉をヒューヒューと鳴らしながら窒息した魚のように閉させた。 退職などできるはずがない。借があり、慰謝料の請求があり、妻からは婚を突きつけられているのだ。 だが、部に頼めば毎万円が消えていく。母の通帳の残は、すでに万円。で完全に破綻する計算だった。

「マリ……! 頼む、マリ!」 秀いずり、マリの元へすがりついた。

「俺が悪かった! 借は必ず座して分割にしてもらう! だから頼む、母さんのの世話だけは伝ってくれ! おがいれば、ヘルパー代の万は浮くんだよ!!」

その浅ましく、醜悪極まりない命乞い。 妻をとしてではなく、ただの「万円を浮かせるための無料の労働力」としてしか見ていない本音が、最悪の形で呈した瞬だった。

マリは、汚物を見るようなえ切った目で秀を見ろすと、その靴先を容赦なく振り払った。

「触らないで、潔よ」

マリはバッグを掴み、婚届を秀の背に叩きつけた。 「、私の弁護士から正式に連絡させます。……さようなら、度と私のに現れないで」

バタン。 玄関のドアが閉まる音が、茶のく響き渡った。 それは、秀の築きげてきた庭が、完全に音をてて崩壊した終焉のファンファーレだった。

茶のに残されたのは、だった。

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