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"無能社員を演じていた俺、上司を救って正体がバレる" 第10話

その見返りとして、貴方個へ約束されていた成功報酬は億円。……違いますか、榊原専務」

「う……ぐ……っ!」

榊原の喉から、空気の漏れるような音が漏れた。 会議のは、もはや静寂を通り越し、絶対零度の凍と化していた。 派の役員はおろか、先ほどまでを挙げようとしていた榊原派の役員たちまでもが、汚物を見るような目で専務から子を引いていた。

「証拠能力がない!」 榊原は泡をばして絶叫した。 「こんなハッキング紛いのデータ、裁判で通用するものか! 捏造だ! 鳥と貴様が組んで、私を陥れるために作った偽造データだ!!」

「偽造ではありませんよ」

その、閉ざされていた会議の扉が、再び静かにいた。 廊につつの。 は、栄フーズの顧問弁護士。 そしてもう――仕ての良いつ揃えのスーツを着こなした、圧倒な格を纏う髪の老紳士だった。

「失礼するよ、役員の皆さん」

顧問弁護士を従えて悠然と入ってきたのは、竜玄組組・黒崎源だった。 現役の指定暴力団組の登に、役員たちの数名が鳴をげてちがり、壁際へと退った。

「な、何だ貴様は! 警備員! ヤクザがなぜここにいる!?」

榊原の鳴のような喚き散らしに、黒崎はフッとを鳴らし、内ポケットから枚の類を取りしてテーブルの央へ放り投げた。

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「しな、榊原専務。俺はあんたのオフィスに殴り込みに来たんじゃない。……あんたの裏座を管理していた税理士の野崎が、京検特捜部に提した自首調の控えを届けてやっただけだ」

「な……野崎が……自首した……!?」

「あんた、あの税理士に全部の罪を擦り付けて、へびする筈をえてただろ? になあ、族を質に取られたような顔して震えてたぜ。『殺されるに警察へく』ってよ」

黒崎は歩、榊原のへと歩み寄った。 その威圧に気圧され、榊原は腰を抜かしたようにドサリと子にへたり込んだ。

「それから、もうつ。昨夜、お嬢――鳥課を裏で囲んだ俺の若い衆のことだがな」 黒崎はスクリーンの写真を親指で指差した。

「あれは、あんたが雇った半グレのチンピラどもが、お嬢のバッグに成麻薬を滑り込ませて警察へ通報しようとしていたのを、うちの若い衆が未然に防ぎ止めた現だ。……その半グレども、今朝くに全員ポリにゲロっちまったよ。『栄フーズの榊原専務から百万円で請け負った』ってな」

「ひっ……!」

榊原の顔から、完全に血の気が引いた。 もはや言い逃れの切が通用しない、完璧な包囲網。 顧問弁護士がにみて、徹に宣告した。

「専務。京検特捜部および警庁捜査課が、すでに階に待しています。

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任同に応じてもらいます」

勝負は、決した。 役員の誰もが、堵と恐怖の混ざりった表で榊原を見つめていた。 だが――絶望の淵に叩き落とされた男の目は、まだんでいなかった。

「……ふざけるな」

く、獣のような呻き声が、へたり込んでいた榊原の喉から漏れた。 彼は突如としてちがると、テーブルののファイルを薙ぎ払い、狂ったように笑いした。

「ふざけるなよ……! 私がどれだけこの会社のために尽くしてきたとっているんだ! 創業のお坊ちゃんどもが現を舐め腐っている、をすすってを引っ張ってきたのは私だ! それを……こんな娘と、得体のれない平社員に潰されてたまるか!!」

榊原はスーツの内ポケットからスマートフォンを取りし、画面をくタップした。

「やれ!!」

その言を叫んだ直、凛のスマートフォンがけたたましい警告音を鳴らした。 画面を見た凛の顔が、瞬で凍りつく。 「……嘘でしょう……!?」

「課、どうしました!?」 健太が駆け寄る。 画面には、防犯カメラのリアルタイム映像が映しされていた。所は、埼玉県内にある鳥誠の代からの創業倉庫――栄フーズの全物流を支える、央蔵チルドセンターだった。

映像のでは、目しを被った数の男たちが、巨なアンモニア媒配管のバルブに燃性の液体を撒き散らし、限発装置を取り付けている姿が映っていた。

「私の息がかかったプロの解体たちだ」

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