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"無能社員を演じていた俺、上司を救って正体がバレる" 第11話

榊原は狂気の笑みを浮かべ、震えるでネクタイを引きちぎった。

「あの倉庫には、栄フーズの全取引先向けのチルド品と、の熟成種菌が保管されている。あれが爆発炎すれば、毒ガスが宅へ広がり、会社は数百億の損害賠償で確実に倒産する! ……鳥、貴様の父親の誇りも、何もかもにしてやるよ!!」

「何てことを……! 何百の従業員がいるとってるの!?」 凛が激昂して叫ぶ。

「止めたいなら、貴様で来い! 臨第埠の旧第倉庫だ! 警察に通報してみろ、隔操作で即座に起爆して吹きばすぞ!」

榊原はくの役員を突きばすと、非常階段のドアを蹴破ってフロアから逃した。 「追え!」と叫ぶ総務役員たち。 だが、凛は青ざめた顔で、そのからりそうとしていた。

「待ってください、課!」 健太がその腕を掴んだ。 「罠です! でかせるわけにはいかない!」

「して、藤さん!」 凛の目から、粒の涙が溢れた。 「あの倉庫は……父がのすべてを懸けて建てた、栄フーズの臓部なの! あそこが燃えたら、何社もの契約農やが全部潰れてしまう! 私がかなきゃ……!」

「でかせるとは言っていません」 健太の声は、驚くほど静かで、力かった。

健太は黒崎に向き直った。 「黒崎さん。特捜と警察の爆破処理班へ連絡を。埼玉の央倉庫の解除は警察に任せます。

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……俺と鳥課は、臨埠へきます」

黒崎は獰猛に目をらせ、頷いた。 「わかった。うちのを使え。……藤さん、きて帰ってこいよ」

「解」 健太は凛のをく握り直した。 「きましょう、鳥課。……俺が、必ず終わらせます」

初のぬるいが吹きつける、京湾・臨第埠。 錆び付いた巨な鉄骨と、打ち捨てられたコンクリートブロックが転がる旧第倉庫は、昼だというのに暗く、のような静寂に包まれていた。

軋むトタンの引き戸を押しけ、健太と凛がを踏み入れる。 奥の荷揚げスペースに、台の黒いワゴンがまっていた。そのボンネットのに腰掛け、起爆スイッチの受信を弄びながら、榊原が待ち構えていた。 その周囲には、鉄パイプや警棒、そしてスタンガンをにしたの屈な男たち――榊原が裏で雇い入れた、の民軍事会社崩れの用棒たちだった。

「本当に来るとはな、鳥。……そして、命らずの無能社員君も緒か」 榊原が笑を浮かべる。

「埼玉の倉庫の部隊には、すでに隔起爆のスタンバイをかけさせてある。私の求はつだ。今すぐ役員会へ話し、先ほどの告発をすべて『鳥凛による狂言と証拠捏造だった』と証言しろ。そして、全責任を被って自首しろ」

「そんな求が、通るとっているの!?」

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凛が叫ぶ。

「通るさ。君がにたくないならな」 榊原が酷に指を振る。 「やれ。を折って、喋れる状態にして類にサインさせろ」

の男たちが、獰猛な笑みを浮かべていを詰めてくる。 先のが、特殊警棒をシャキーンと伸ばした。

健太は凛を歩背へ押しやり、ゆっくりとスーツの着を脱ぎ捨てた。 ワイシャツの袖を肘まで捲りげる。その腕には、幾にも刻まれた銃創と刃物の古傷がっていた。

「鳥課。目を閉じていてください」

「え……?」

「秒で終わります」

先の男が、踏み込みざまに警棒を健太の側部へフルスイングした。 空気を切り裂く属音。 だが、健太の姿はすでにそこにはなかった。

半歩へ。男の懐の内側、角へと滑り込む。 振るわれた腕の軌に沿ってを添え、運エネルギーをそのまま利用して男のを方に崩す。同に、掌底を男の顎先へから突きげた。 カツン、と乾いた骨の音が響き、男の脳が揺れて目を剥く。倒れる男の体から警棒を奪い取り、背からびかかってきた目の膝皿へ、容赦なく属の先端を叩き込んだ。

「ぎゃあああっ!?」 鳴が倉庫に霊するもなく、健太はを翻した。

目がスタンガンの青いスパークを放ちながら突してくる。 健太はをく沈め、払いで男の体勢を奪うと、空で宙に浮いた男の襟首を掴み、コンクリートのへ叩きつけた。

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