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"無能社員を演じていた俺、上司を救って正体がバレる" 第12話

息を呑むすらない、流れるような接格闘術――特殊作戦群仕込みの、対テロ制圧CQC。

「ひ……化物か、貴様……!」 残るが恐怖に顔を引きつらせ、腰からナイフを抜き放った。 「ねぇッ!」

殺気を放ちながら同にいを詰めてくるプロの刃。 だが、健太の瞳は、絶対零度の静寂を保っていた。 かつての暗で、命のやり取りを幾千回と繰り返してきた覚が、研ぎ澄まされた刃のように蘇る。 ナイフを握る首を掴み、関節の域を超えて捻りげる。ナイフがに落ちるのと同に、肘打ちが男の肋骨を砕く。 振り返りざまの回し蹴りが目のテンプルを捉え、最のが恐怖でナイフを取り落として退ったところへ、喉元へ寸止めで刀が突きつけられた。

「……くな」

最のが、失禁しながらそのに崩れ落ちた。

戦闘始から、わずか秒。 っているのは、呼吸つ乱れていない健太と、腰を抜かして震える榊原だけだった。

「な……な……」

榊原のから、起爆スイッチの端末がポロリと滑り落ち、コンクリートので乾いた音をてた。 健太は歩歩、逃げを失った榊原のへと歩み寄った。

「ば、化物……! 貴様、何者だ……! 防省の回し者か!? 警察の潜入捜査官か!?」

「言ったでしょう」 健太は元に落ちた起爆スイッチを革靴の踵で踏み砕いた。バキリとプラスチックが砕される。

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「ただの、品商社の平社員ですよ。……コピー用の向きを違えて、毎朝られているね」

「嘘をつけぇぇっ!!」

榊原がポケットから隠し持っていた護用の型拳銃を引き抜こうとした瞬、倉庫の巨な引き戸が轟音をててねがった。

「くなッ!! 警察だ!!」

防弾チョッキを着込んだ数名の特殊捜査班(SIT)と捜査課の刑事たちが、サブマシンガンを構えて崩れ込んできた。 赤灯の烈な閃が、倉庫の暗を真っ赤に染めげる。

「銃を捨てろ! 両をのろで組め!」

銃の嵐に包まれ、榊原はガタガタと震えながら拳銃を取り落とし、膝から崩れ落ちた。 そこへ、警庁の指揮官のろから、悠然と煙を燻らせた黒崎が姿を現した。

「榊原。埼玉のチルド倉庫の起爆装置は、分に隊の爆発物処理班が無力化したそうだぜ。……あんたのゲームは、完全にゲームオーバーだ」

刑事たちが榊原にびかかり、背に錠を締めげる。 「榊原徹! 特別背任、ならびに威力業務妨害、爆発物取締罰則違反の現犯で逮捕する!」

連されていく榊原は、すれ違いざま、鬼のような形相で凛を睨みつけた。 「鳥……! 貴様のような娘に……誠の娘ごときに、この私が……!」

凛は逃げることなく、その憎悪に満ちた線を真っ直ぐに見据え返した。 「榊原専務。父は、あなたのようなを番軽蔑していました。

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……誇りを失った商売は、ただの棒です」

榊原がパトカーへと押し込まれ、けたたましいサイレンの音がざかっていく。 静まり返った倉庫の入りで、からの爽やかな初のが吹き抜けた。

凛の張り詰めていた糸が、プツンと切れた。 「あ……」 崩れ落ちそうになった彼女の細い肩を、健太がしっかりと両で支えた。

「課。……終わりましたよ」

凛は健太の胸元に額を預け、声をげて泣いた。 それは、圧から解放された堵の涙であり、父の遺した誇りを守り抜いた誇りき涙だった。 健太は何も言わず、ただ静かに、彼女の背をとんとんと叩き続けた。

事件から週。 つない抜けるような青空が広がる曜、健太と凛は、都内を見ろす郊の台にある寺院の墓にいた。

鳥の墓には、真しい百の束が供えられ、線のい煙が初の陽に溶けていく。 その墓に、黒塗りのセンチュリーからりった黒崎が、静かに歩み寄ってきた。

黒崎は墓のにしゃがみ込むと、持参した級な本酒の封を切り、惜しげもなく墓へと注ぎかけた。

「誠さん。……あんたの娘さんは、派だったぜ。誰の力も借りず、己のでちがって、会社を守り抜いた。……約束は、果たしたぜ」

黒崎が静かにをわせる。 その横で、凛もくをげた。

「黒崎さん。……父がくなってから今まで、ずっとで見守ってくださっていたこと、本当にありがとうございました。

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