みかん小説
本棚

"義弟嫁の「セレブ家族」に隠された十二年前の秘密" 第12話

晩、恐怖と飢えでもできず、精神が完全に崩壊寸まで追い詰められた、本のショートメッセージが届いた。 差は、あの座の融業者の男だった。

【今夜零までにが用できないなら、本当に俗に売りばす。……ただし、括で借をチャラにし、さらに元にまとまった現が残る「の特殊案件」がある。興があるなら、指定の喫茶へ来い】

罠だと分かっていても、真澄にはその蜘蛛の糸に縋る以の選択肢は残されていなかった。 夜、伎町の裏通りにある暗い純喫茶。 ボックス席に座っていたのは、サングラスをかけた浅黒い肌の男だった。

男はたい缶コーヒーを真澄のに滑らせると、枚のパンフレットを提示した。

「アジア……カンボジアの経済特区にある、系ITカスタマーセンターのスーパーバイザー業務だ」 男のい声が、煙の煙とともに吐きされる。

「現の富裕層向けコールセンターで、顧客対応を統括する仕事だ。お、アメリカ育ちで英語がペラペラなんだろ? 現の国スタッフを束ねるリーダーとして、百万円を保証する。借の百万円は、現の提携会社が全額て替えて返済してくれる。働けば、借はゼロ、元に千万円以の貯が残る」

「げ、百万……!? 英語のスーパーバイザー……!?」

広告

真澄の濁りきった瞳に、再び醜い欲望のがパッと灯った。

「そうよ……! 私、アメリカ育ちだもの! そういう国際なハイキャリアの仕事こそ、私の本来の居所なのよ!」 客観な判断力など、とうの昔に失われていた。 なぜ借取りが、そんな割のいい額案件を自分のようなに紹介するのか。 なぜパスポートを即座に預けろと求してくるのか。 何の疑いも抱かず、真澄はそので渡された契約にサインした。

「パスポートはビザの事申請で預かる。の夜、成田発の夜便で国だ。荷物は最限にして空港へ来い」 男の元に浮かんだ酷な嗤い。 それが、自由なとして本で呼吸できる最の夜になるともらず、真澄は「これで助かった……私、やっぱり特別なんだわ!」と歓の涙を流していた。

翌夜、成田空港の国際線ターミナル。 男から渡された片航空券をに、真澄はタイ・バンコク経由でカンボジアへとびった。 内のさな窓から見ろす京の夜景。 「ふん、さようなら貧乏ども。次に私が戻ってくるは、収千万円の国際派キャリアウーマンよ!」

彼女がりった先が、度を踏み入れればきてることはできない、現代の奴隷収容所であることなど、にもわずに。

アジア某国、国境くの荒涼とした赤の。

広告

バンコクの空港で迎えたワゴンに揺られること、真澄が連れてこられたのは、パンフレットに載っていた代なオフィスビルなどでは到底なかった。

さメートルを超えるコンクリートの防壁。そのには鋭利な刺鉄線が張り巡らされ、隅の見張り塔には自銃を抱えた現の武装警備員が睨みを利かせている。 が溜まった巨な鉄が々しい音をててき、が敷内へと滑り込んだ。

「な……何なのよここ!? IT企業はどこにあるの!?」 真澄が叫んだ瞬、助席の屈なアジア系の男が振り返り、容赦なく彼女の頬を張りばした。

バチィィッ!! 「ぎゃあっ!?」

「黙れ、豚が。誰が喋っていいと言った」 流暢な本語を話す男は、真澄の髪を掴んでへ引きずりずりろした。 赤のに放りされ、まみれになる真澄。 目のに広がっていたのは、トタン根のプレハブが密集し、異臭と気が渦巻く、巨な監禁塞だった。

連された先は、無数のパソコンとスマートフォンが並び、数百の若者たちがんだような目で画面に向かってタイピングを続けている、暗い部だった。 壁には国語と本語で【本の詐欺目標額:千万円】とされたスローガンが掲げられている。

部の奥から現れたのは、半袖シャツから龍の刺青を覗かせた、酷な目をしたの男――現の詐欺グループの現管理者だった。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: