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"退職金を狙った息子夫婦と、亡夫の最後の記録" 第2話

久美子は眠れないまま、通帳と所録を卓へ並べた。本誠という親族はいない。昭夫がで子どもをもうけ、その教育費を送っていた能性が最初に浮かんだ。夫をくしたで、らない族のを確かめることになるとはわなかった。

だが送元は昭夫個の預ではなかった。夫婦で所する戸の貸から入る賃座で、昭夫のは久美子が相続している。自送の設定は継続され、久美子は固定資産税や修繕費に紛れた支を見落としていた。

翌朝、へ照会した。個報のため受取の詳細は示できないが、振込先は個座ではなく法普通預だった。正式名は《本学ゼミナール》。通帳表示では文字数が省略され、《ヤマモトマコト》のように見えていた。

その塾名には覚えがあった。理の父・瀬信が経営し、に閉した補習塾である。理は子化で自主廃業したと話していた。しかし法は清算されず、座だけが残っていた。

久美子は送設定の控えをで受け取った。申込者は昭夫、連絡先は健太の携帯番号。備考には《美学費援助》とある。昭夫が署名している以、息子が勝に始めたとは断定できなかった。

夕方、健太から何度も話が来た。振込依頼へいつ署名するのか、退職の入はいつかと尋ねるばかりで、母の体調には触れない。

久美子は「父さんの学費援助について確認している」とだけ答えた。

受話器の向こうで数秒の沈黙があった。

「何を見た?」

その聞き方で、健太が送をっていると分かった。久美子が額を告げると、彼は父親が決めたことだからをすなと言い、急に話を切った。

久美子は所録の《らせるな》が、送そのものを息子へ隠すではないと気づいた。健太は最初からっていた。昭夫がらせたくなかったのは、送とは別の何かだった。

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