みかん小説
本棚

"退職金を狙った息子夫婦と、亡夫の最後の記録" 第14話

退職から半、久美子は貸のを改修した。豪華な設備ではなく、すり、簡易ベッド、さな卓を備え、独居齢者が退院直に期滞できる所にした。病院で、へ戻る準備がわず困る患者を何度も見てきたからだった。

運営は無償の善に頼らず、域包括支援センターと契約し、利用料と清掃費を定めた。久美子自も週回だけ相談員として関わり、残りのは休む。働いたまで、誰かの期待に応じて自分を使い切るつもりはなかった。

退職の部はこの改修へ使い、残りは始までの活費と医療予備費へ分けた。孫の教育信託百万円も別座に置いた。何にいくら使うかを自分で決め、記録へ残す。その為だけで、祝宴の夜に奪われかけたものが戻ってくる気がした。

美は週末、施設の本棚を理する伝いをした。謝礼を受け取るのを慮したが、久美子は働いた分を払った。族の伝いだから無料という考えを、次の世代へ残したくなかった。

理は娘が祖母と会うことを認める代わりに、自分の悪を言わないようを求めた。久美子は悪を言うつもりはないが、事実を尋ねられたまで嘘をつく約束はできないと返した。は作られなかった。

健太からはに度、返済状況だけが代理経由で届いた。

久美子は返信しないもあった。息子の活を毎回評価し、褒めたり叱ったりする役目からりることも、彼に責任を返す部だった。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: