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"退職金を狙った息子夫婦と、亡夫の最後の記録" 第16話

退職祝いから、久美子は歳になった。派な旅も級も買っていない。それでも朝は好きなに起き、施設の仕事がないは庭をえ、古い友と昼を取る。自分のを使わないでさえ、自分で決めただった。

昭夫の命、健太はで墓へ来た。以のようにの相談から始めず、父の差し替え文を作ったことを謝った。許してほしいとは言わず、母が今会わないと決めても受け入れると言った。

久美子はすぐ許すとは答えなかった。謝罪を受け取ることと、座や鍵を再び任せることは別である。に度、昼に会うことから始める。の相談は代理を通す。その条件を伝えた。

墓参りの、美も流した。で事をしたが、昔の族へ戻ったふりはしなかった。健太は自分の分を払い、美の受験費用も両親が負担できる範囲を先にすと約束した。分だけを教育信託から支払うことになった。

帰宅すると、退職祝いのにもらった空の祝儀袋が引きしからてきた。健太夫婦はと事を用したが、のない袋には《いお疲れさまでした》とかれている。その夜、彼らが見ていたのは母のではなく、千百万円だった。

久美子は袋を捨てず、貸庫の資料と緒に保管した。

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りを忘れないためではない。誰かが謝の言葉を使ってを求めてきた、言葉ではなく、そののを見るためだった。

数、健太からい話があった。今の返済を終えたという報告だけで、援助の依頼はなかった。

久美子は「分かりました」と答え、話を切った。褒めすぎず、責め直さず、彼の責任を彼のものとして置いた。

机には翌の施設利用者の資料と、美の学案内が並んでいた。久美子はまず自分の計画を確認し、そので教育信託の残を見た。順番を入れ替えないことが、彼女のしい活の基本だった。

退職の、息子は「孫の未来を優先しろ」と言った。

久美子はいまも孫の未来を切にしている。ただしそのために、自分の老やを消す必はない。

族をすることと、族に通帳を渡すことは、最初から別のことだった。

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