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"無能教師と呼ばれた僕が、AIで教室を取り戻すまで" 第3話

その乱暴な歩き方には、世界全体を拒絶するような頑なな孤独が張り付いていた。

「佐々君!」 野寺はわずその背に向かって叫んでいた。

「先はね……仕事も遅いし、職員でもみんなにバカにされている。君たちから見ても、本当に頼りないダメな先だとう」

のが、ピタリと止まる。

「でもね……徒を守ることだけは、誰にも負けたくないんだ」 野寺はに歩み寄り、真っ直ぐにその目を見つめた。

「君がどうしてでいるのか、本当は誰よりも分かっているつもりだ。……の卒業で、学の問題児だったあいつ――神崎優太(かんざき・ゆうた)と、君が幼馴染みで、今でも仲が良いからだろう? 『良の舎弟』だって、クラスのみんなからを叩かれているのをっているよ」

の瞳が、激しく揺れた。 「……ってたのかよ」

「気づかないわけないじゃないか。君の担任なんだから」 野寺はふっと力なく、だが温かく微笑んだ。

「先には、難しい勉をスマートに教える才能も、テキパキと仕事を片付ける領もない。でも、君が修学旅をから楽しめるように、全力でサポートする。部割りも、君が肩の狭いいをしないように、先が責任を持って調するから。……約束するよ」

は唇を噛み締め、何かを言いかけようとして――俯いた。 「……勝にしろよ。

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ダメ教師のくせに」 声で悪態をつきながらも、階段をりていくの背は、先ほどまでの刺々しさをわずかに失っていた。

野寺は自分の胸にを当て、さく息を吸い込んだ。 自分のような無能でも、この学にするはあるはずだ。徒ひとりの声にを傾け、臭く寄り添い続けること。それだけは、絶対に放してはならない自分の誇りだった。

まさか、その純粋な祈りが、翌週、最悪の形で踏みにじられることになるとはる由もなかった。

修学旅の。曜の朝。 職員の型印刷のには、各クラスの担任たちが集まり、製本されたばかりの修学旅のしおりを段ボール箱へ詰め込む作業に追われていた。

野寺が勤し、職員の引き戸をけた瞬――内の空気が、異様なまでの静寂に包まれた。

線。 数の教職員たちの、軽蔑、憐憫、そして酷なりが入り混じった無数の線が、斉に野寺の全に突き刺さる。

「……え?」 野寺がを止めたその、教が般若のような形相で歩み寄ってきた。

「野寺教諭! 貴様、体どういうつもりだ!!」 教の声が、静まり返った職員に鳴のように響き渡った。

「き、教先……? 体何の話でしょうか……」

「とぼけるな! 組の修学旅のしおりだ! 印刷所に問いわせたところ、組の原稿だけが今に至るまでも入稿されていないというではないか! 製本も印刷も、何つわれていないんだぞ!!」

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「な……ッ!?」 野寺の脳を、たい鉄パイプで殴られたような衝撃が貫いた。 血の気が引き、界がく滅する。

「そ、そんなはずはありません! 組の原稿としおりの作成は、先週、朝倉先が代わりにしてくださると――」

「野寺先!」

甲い、震える声が野寺の言葉を遮った。 振り返ると、朝倉美鈴が両で元を覆い、信じられないものを見るような目で野寺を見つめていた。その瞳には、今にも零れ落ちそうな粒の涙が浮かんでいる。

「何をおっしゃっているんですか……!? 私、そんなこと頼まれてもいませんし、引き受けてもいません!」

「え……? あ、朝倉先……? 先週の曜、僕の机で『これはお詫びだから、私が代わりにやっておく』って、確かに仰いましたよね!?」

「言っていません!!」 朝倉は首を激しく振り、周囲の同僚たちに向かって助けを求めるように叫んだ。

「私、先週から自分のクラスの準備と学全体の危管理マニュアルの作成で杯でした! 野寺先から『伝ってほしい』と相談されたことはありましたが、『自分のクラスの仕事は自分で責任を持ちなさい』とお断りしたはずです! それを……自分が締め切りを忘れていたからって、私のせいにするなんて……あんまりです!」

「う、嘘だ……嘘でしょう、朝倉先!?」 野寺はよろめき、くの机にをついた。

そこへ、体育科の桜が割って入った。

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