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"四十九日の遺言" 第3話

正隆は、内容証郵便を送ってきた。静が所権を主張するなら、分の建物使用料と改築費を精算しろという求だった。計算表には根の修繕、厨設備、アパート建設費まで並び、計は千百万円になっていた。

静は数字に驚いたが、片桐はすぐ回答しなかった。支払者、資源、減価償却、夫婦の活費負担を調べなければ、正隆の覧は請求にならない。の古い帳簿は正隆が押さえていたため、静は取引先から請求と振込履歴を取り寄せた。

最初に協力したのは、来米を納めてきた鈴米穀だった。主は静が仕入代を払っていたことを覚え、保していた納品台帳を見せた。厨の改装費も、静の父の命保険から支払われていた。彦の名義で振り込まれていても、その直に静の座から同額が移されている。

方、正隆は所へ「兄嫁が兄の遺言を無してを奪おうとしている」と話し始めた。弁当の常連だった自治会役員からも、法事の翌にの話をするのはたい、と話があった。静は件ずつ弁せず、弁護士を通して必な事実だけを文にした。

そのにも、の営業は再された。正隆は調理師を雇わず、凍品を詰めた弁当を以と同じ価格で売った。

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澄子が帳に座り、《創業、佐伯の》とかれたを貼った。目には、配送先を違えた苦が静の携帯へ入った。

「もう私のではありません。しい経営者へ連絡してください」

そう答えるたび、胸の奥が削られた。だが無償で問題を引き受ければ、追いしても静が支えるという正隆の計算どおりになる。静は取引先にも、今自分は発注も支払保証もしないと通した。

週、から照会が来た。正隆はとアパートを千万円の融資担保として申請し、も相続対象だと説していた。静は登記事項証と使用権終の通を提した。は審査を止した。

そのの夕方、正隆がホテルのロビーへ押しかけた。

「融資が止まったら、が潰れる。母さんの活も終わるんだぞ」

「私を追いした翌に申請した借で、誰の活を守るつもりだったの」

取引先を回る途、静はの裏までった。から炊飯器の蒸気が見え、らない若者が彦のを着ていた。自分が選んだ包丁も、使った計量器も、すでにの具として扱われている。入れば作業の違いを直したくなると分かっていたため、静は扉をけずにれた。

正隆の計算表には、静が無でった修繕まで《佐伯負担》とかれていた。

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壁を張り、排溝を掃除し、台の夜に根へがったは額にならない。方、業者へ払った費用だけはすべて男たちの貢献として残る。静は過の写真と記を集め、誰が作業したかも記録へ加えた。額にならない仕事を、しなかったことにはさせないためだった。

静はホテル代と弁護士費用を計算し、父から受け継いだ定期預の部を解約した。悔しさはあったが、法確認へを使うのは浪費ではない。正隆は「裁判を続ければ老資がなくなる」と脅したが、何も確認せずと建物を失うほうがはるかにきい。片桐は費用の見通しをごとに示し、静自が続ける範囲を選べるようにした。

父の保険を振り込んだ古い通帳は、でマイクロフィルムから再発された。数字はかったが、改装業者への支払と致した。記憶だけなら夫婦で決めたと言い換えられても、送元までは変えられなかった。

正隆は答えず、代わりにしい類をテーブルへ叩きつけた。公証の認証印がある遺言の原本だった。

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