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"四十九日の遺言" 第4話

原本には確かに彦の署名があった。印も本の実印と致し、病院の面会記録には作成、正隆と司法士が病へ入った記載がある。静が最も恐れていた能性――夫が自分ので妻を追いした能性が、急に現実を帯びた。

片桐はな否定を避け、類を専へ預けた。彦はが震えていたが、署名の圧や癖は過の契約とう。実印も偽物ではない。静は鑑定結果を聞き、の活が最ので塗り替えられるようにじた。

それでも、録音の彦は遺言がることを予していた。自分で妻を排除したなら、を調べさせる理由がない。静は夫の病で交わした会話をい返した。彦はくなるか、「の数字は正隆に見せるな」と言い、翌には「弟を頼む」と反対のことを言った。薬の響だとっていたが、誰かが同席するだけ言葉が変わっていた。

鑑定が注目したのはだった。遺言は枚綴りで、署名と実印は枚目にある。しかし、枚目はわずかにく、透かすと製会社の識別模様が異なっていた。さらにホチキス穴の周囲には度留め直した傷がある。署名は本物でも、本文が同じに作られたとは限らなかった。

正隆側は「病院で印刷用がりず、違うを使った」

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と説した。だが病院の売には同じ用しか置かれておらず、司法士事務所のプリンターには固の微細な汚れが残る。枚目にはその汚れがあり、、枚目にはなかった。

片桐は遺言の検認と保全を申して、原本を正隆の元からした。静は同に、彦のパソコンとクラウド保を調べたいと求めた。正隆はパソコンを廃棄したと言ったが、病院で彦が使っていたタブレットは澄子が持っている能性があった。

静が義母へ話すると、澄子は最初「らない」と答えた。しかし背で正隆の声がし、話を切る直、澄子はさく言った。

「彦は、あの遺言に署名した、私に謝ったのよ」

彦が入院していた頃、静は毎午にを森田へ任せ、病院へ通った。正隆が来るは決まって面会の終わり頃で、静へ「兄貴と男同士の話がある」と退を求めた。彦は面会に疲れ、類の内容を尋ねても「保険のことだ」としか言わなかった。その沈黙を、静は病の負担を減らすため受け入れてしまった。

鑑定はホチキス穴を拡し、最初の針と度目の針が違う角度で刺さっている写真を作った。の端には、ねた順番が変わったにだけじる圧痕もある。劇な指紋や隠し文字ではない。けれど、誰かが度完成した枚をし、別のへ交換した作が、わずかな傷として残っていた。

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静は証拠とは、嘘を声で否定する物ではなく、嘘が通った順を静かに再現する物だとった。

遺言を入れた封筒にも違があった。封印に使われた糊はしく、病院へ持ち込まれたの写真では封筒の角に折れ目がない。にされた封筒にはい折れ目があり、別の所で保管された能性がい。さな相違は決定打ではないが、正隆が語る《署名ずっと庫にあった》という経とわなかった。

静は彦の印鑑登録履歴も確認した。直のかに、証が通常よりく発されている。正隆は保険続きのためと説したが、使途の通が残り、の借用調査へつながった。

何を謝ったのか尋ねても、返事はなかった。夫は本文を差し替えられた被害者なのか、それとも、別の罪を隠すために署名したのか。静は初めて、彦自の秘密を疑った。

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