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"四十九日の遺言" 第12話

司法士の柴崎は、最初の聞き取りで「彦本のを確認した」と答えていた。だが防犯映像と複の記録を示されると、遺言案を自宅で印刷した事実は認めた。正隆から受け取った文章をえ、翌病院で彦へ読み聞かせたという。

「ページすべてを、本ので読みましたか」

片桐が尋ねると、柴崎は答えを濁した。病では彦の体調が悪く、正隆が点を説した。柴崎は最の財産覧と署名欄だけを確認し、本文の読みげを省いた。専として許されない続きだった。

さらに、最初に印刷した文章は静へを残す内容だった。正隆は病院へ向かう直、「兄が気持ちを変えた」と言い、別の、枚目を渡した。柴崎はホチキスを留め直したが、彦のは同じだとい込んだと主張した。

「なぜ同じだとったんですか」

「正隆さんは、静さんも分な預を受け取ると説しました」

その預はしなかった。彦名義の座は治療費との運転資でほぼ空になり、静個の貯も介護に使われている。柴崎は正隆の言葉を確認せず、妻の活を奪う類へ専の形を与えた。

証言を得たことで、遺言無効確認の見通しはくなった。しかし正隆も反撃した。彦が認症で判断能力を失っていたと主張し、第案も録音も信用できないと言い始めた。

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自分に利な遺言だけでなく、静に利な証拠もすべて無効にしようとしたのだ。

病院の診療記録では、彦に識混濁のはあったが、は会話も計算もできた。護師は、正隆が来ただけ鎮痛薬の追加をく求めたことを覚えていた。署名当も、薬が効き始めたと類確認がなっている。

静は、夫のさを利用した者と、さを言い訳にして黙った夫を分けて考えた。どちらか方だけを悪者にすれば簡単だが、それでは自分が何を取り戻すべきか見失う。

柴崎は正隆の代の同級だった。業直に仕事を紹介してもらい、佐伯の登記を何度か扱っている。専として独していても、元の付きいを失いたくない気持ちが確認を鈍らせた。彼はを受け取って偽造へ加わったわけではないと繰り返したが、見なかったことにした結果は同じ類へ残った。

護師のは、署名の、彦が「静には説したのか」と正隆へ尋ねたのを覚えていた。正隆は「全部納得している」と答え、柴崎も否定しなかった。静はそのにいなかった。本の確認を度すれば崩れた嘘が、族の解という言葉だけで通った。その証言は、彦が完全に自由なで妻を排除したという正隆の説を揺らした。

柴崎は自分の失敗を認めたあとも、静へ直接謝りたいと申した。静は代理同席を条件に面会し、なぜ妻本へ確認しなかったのか尋ねた。柴崎は《夫婦の財産は夫が決めるだとった》と答えた。そのい込みは法律ではない。静は謝罪を受け取り、損害については別に続を続けると伝えた。

柴崎の事務所には本確認のチェック欄があったが、静への説確認だけ空だった。形式をえる仕事ほど、つの空がきなを持つ。彼はその欄を見落としたのではなく、族内で済んでいると判断してばしていた。

争う目は、夫を無垢な被害者に戻すことではない。、働いた対価、そして自分のを、族の都から切りすことだった。

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