みかん小説
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"夕飯のカレーを笑った友人が、私のレシピを欲しがった" 第3話

写真に写らない仕事

文化祭まで3週となり、準備は気に慌ただしくなった。学からは管理の類が追加され、材料の発注数も見直すことになった。真理子は会議で「私が学に確認しておきます」と引き受けたが、数、保健所からの回答を添付した資料を作ったのは私だった。彼女がをつけられなかったのか、私に任せたのか、聞くのも面倒になっていた。

私はパートの勤務を終えてから、夕飯の支度をしつつ表計算ソフトに数字を入力した。米の量、肉の仕入れ価格、物アレルギー表示、皿の数。庭でカレーを作るのと違い、学ですとなれば確認することがい。航が横で宿題をしながら、プリンターからてくるを揃えてくれた。

「これ、真理子さんに頼まれたの?」

「みんなでやっていることだから」私は答えた。

「でも母さんがほとんどやってる」

「そう見えるだけだよ」

航はそれ以言わなかった。私は彼が正しいかどうかより、親子ので真理子を悪く言いたくない気持ちのほうがかった。い付きいには、よいいもある。は度の言葉で決めつけられない。そう自分に言い聞かせていた。

翌の会議で、真理子は私の作った資料を配り、「こちらが最終案です」と説した。私は端の席で、材の価格が先週の見積もりから変わっていることに気づいた。

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彼女はそのまま話をめようとしたが、私はさくを挙げた。

「肉の価格が違うみたい。こっちの見積もりは先週のものだから、今の額に直した方がいいよ」

真理子は資料を見て「あら、そうだったの」と笑い、私に訂正を頼んだ。周囲は誰も気に留めなかった。私はそので数字をき直した。、修正版の資料が共されたとき、作成者欄には真理子の名だけがあった。

その夜、由から話があった。「由美子、真理子さんのことで気になったんだけど、聞いてもいい?」

由は、別の保護者から聞いた話を教えてくれた。真理子が最、何かに「由美子さんは事が苦だから、文化祭でカレーを作るのが楽しみみたい」と話していたという。聞いたは、真理子が冗談を言ったのだとって、笑って受け流したらしい。

「真理子さん、夕飯のカレーをあんなに否定してたのに」由は困ったように言った。「それでいて文化祭のカレーは自分が考えたみたいに話してるんだって」

私は言葉を失った。由は「聞いたままだから、確かめたわけじゃないよ」と付けしたが、胸の奥では何かがえていった。

翌、真理子に会うと、私はなるべく普通の声で尋ねた。「私のこと、事が苦だって話してる?」

彼女は目を丸くした。「誰がそんなことを?」

「何かに聞いたの。

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文化祭のカレーを、私が事の代わりに楽しんでいるみたいに話したって」

真理子はすぐに笑った。「そんな言い方してないよ。『由美子さんは料理が好きだから、カレーを作るのを楽しんでくれている』って言っただけ。悪く受け取られたなら困るな」

悪く受け取られた、という言葉は便利だった。誰かが傷ついたとき、傷つけた側は自分の図を説し、受け取った側の理解を問題にできる。私はその仕組みをっていたはずなのに、真理子に言われると自分の記憶のほうが違っている気がした。

「そう。私の聞き違いならごめんね」

そう言ってしまった私に、真理子はほっとした顔をした。「由美子さんは考えすぎるところがあるから。文化祭も変だし、疲れてるんじゃない?」

に帰ると、修司が夕の器を片づけていた。私は真理子との会話を話した。修司は皿を切り籠に置きながら、「彼女が何を言ったかより、君がどうじているかを事にすればいい」と言った。

「でも、悪く受け取っただけかもしれない」

「そうかもしれない。でも、何度も同じにそう言われて、君がつらくなるなら、し距を置いていいんじゃないか」

彼の言葉は静かだった。私はすぐに返事ができず、流し台のを止めた。自分が傷ついたと認めることは、真理子を悪者にすることではない。

その簡単なことを、私はいあいだ混同していた。

数、文化祭の準備会で真理子は、学の先に「カレーのは私ののレシピをもとに調しました」と話していた。先が「そうなんですね」とすると、彼女は私の方を見て、「由美子さんにもし伝ってもらったんです」と付け加えた。

し、という言葉で、私は資料作りも試作も全部まとめてさくされた。私は何も言わなかった。けれど帰りに、真理子が置き忘れた資料の束をにしたとき、最のページに貼られた付箋が目に入った。

《由美子さんのレシピをもとに、私が庭向けにアレンジ》

そのには、真理子の名だけがかれていた。

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