みかん小説
本棚

"祖父の土地を勝手に道路にされたので、自販機を置いた" 第10話

俵際のうっちゃり(編クライマックス)

サイレンの音とともに、台のパトカーが現を包囲した。 現犯逮捕こそ免れたものの、武郎は建造物侵入および器物損壊未遂の参考として、警察署へ任同を求められた。 パトカーの部座席に押し込まれる寸、武郎は群衆のにつ私を見つけ、鬼のような形相で叫んだ。

「……! 貴様、最初からこれを狙っていたのか……!?」

私は垣を割り、パトカーのドアのに歩み寄った。 そして、かつてので見せた、あの徹で誇りい差しで、男を見ろした。

「ええ、言ったでしょう? 私は『うっちゃりの』よ。力任せに押し切ろうとするあなたのその傲な体を、そのまま使わせてもらっただけ。……あなたの負けよ、武郎」

パトカーがりり、現には静寂が戻った。

そのの夕方。 タワマンのメインエントランスので、自販の撤作業が始まった。 撤を依頼したのは、警察でも、役所でもない。 弁護士を伴って現れた、川端都発の代表取締役社――武郎の実父だった。

社は髪のをアスファルトに擦り付けるようにして、私と、病院から子で駆けつけた祖父のに座した。 「宇都宮様……本当に、申し訳ございませんでした……! 息子の愚、すべて私の監督き届きです……!」

社が差しした解には、以の条件が記されていた。

広告

、原番のに対する、正式な賃貸借契約の締結(額相の倍の代支払い)。 、過の無断使用に対する損害賠償、計千万円の即支払い。 、タワマンの管理規約において、宇都宮のに対する永久な配慮義務と、入の通ルールの文化。 、川端武郎の専務取締役解任、ならびに方支社への無期限遷。

祖父は震えるでを受け取り、静かに頷いた。 「……使うなら……責任を持て。……それで、よし」

夕暮れのが、階建てのタワーマンションのをく伸ばしていた。 巨な怪物は、ついに祖父のに正当な対価を払い、を垂れたのだ。

健兄ちゃんのユニックが、台の自販を吊りげていく。 自販が取りされたアスファルトのに、夕がかく差し込んだ。

「終わったね、おじいちゃん」 「ああ……。、見事な……うっちゃりだったな」

祖父と、顔を見わせて笑いった。 理尽な巨悪にち向かい、ルールの力で勝ち取った、完全なる勝利。 だが――この、私はまだらなかったのだ。 失脚したはずの川端武郎が、その病な執着の果てに、最の、そして最も恐ろしい「毒針」を隠し持っていたということを。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: