みかん小説
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"祖父の土地を勝手に道路にされたので、自販機を置いた" 第12話

封印された構造計算

翌朝、私は休暇を取得し、朝番の幹線で再びSへと向かった。 向かった先は、役所の建築指導課。 対応にてきたのは、回、自販のに駆けつけてを抱えていたあの職員・佐藤だった。

「宇都宮さん……! あ、あの件なら、もう御社と川端発様ので解が成したと聞いておりますが……」 佐藤は私の顔を見るなり、また何か厄介な爆弾を持ち込んできたのではないかと怯えたようにずさった。

「私の通問題は解決しました。今伺ったのは、別の件です」 私は名刺入れから、私の本業である『綜建設コンサルタント・級建築士』の名刺を差しした。 「ザ・グランタワーSの完検査申請、ならびに建築確認申請の変更届の閲覧を請求します。周辺民の利害関係としての適法な報公請求です」

佐藤は名刺の肩きを見て息を呑み、奥の庫へと消えていった。 分、カウンターに運ばれてきたのは、さセンチを超える分い設計図と構造計算のファイルだった。

私は窓の閲覧スペースに座り、持参した関数卓とスケールを取りした。 ページをめくるが、徐々に速度をげていく。 盤調査報告、配筋検査記録、コンクリート度試験の供試体データ、そして――次構造計算。

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「……何よ、これ」

私の喉から、乾いた掠れ声が漏れた。 ザ・グランタワーSの設計を担当したのは、都内の堅設計事務所『アーバン・デザイン・パートナーズ』。 だが、柱と梁の接部、特に階から階にかけての鉄骨ブレース配置図を見た瞬、らかな異常値が目にび込んできた。

タワマンのような超層建築物は、震に建物全体をしならせて揺れを逃す「制振構造」が般だ。そのため、層部よりも層部にかかる圧力と周期震のシミュレーションが極めて厳密に義務付けられている。 しかし、この計算に記載されていた層部の鋼材の許容応力度計算――その基礎数値が、実際の建物の自に対して、自然なほど過に見積もられていた。

「荷の割増係数が……抜けてる? 耐梁の断面寸法も、次設計の構造図と最終実施設計で段階も細くなってる……!」

コストカットだ。 資材騰と期縮のプレッシャーに追われた川端発が、鉄骨量を減らし、層部のダンパー配置を端折るために、構造計算の数値を図に改ざんしていたのだ。

「佐藤さん」私は静かに顔をげ、窓の職員を呼んだ。「この物件、民の指定確認検査関を通していますよね。検査関の名はどこですか」

佐藤は青ざめ、声を潜めて答えた。 「……本宅総検査センターです。

民検査関の……」

「その検査関の元役員、川端武郎の母親の実兄――つまり、武郎の叔父がりしている物ですね」

佐藤の息が止まった。 役所の職員も、々づいていたのだ。形式な類審査だけでパスした、底れぬ正の臭いを。

「このタワマン、が吹けば最階の溶接部から破断する危険性があります。……こんな状態で、曜にや購入者を最階へ招いてパーティーをく気ですか!?」

役所の窓に、静まり返った戦慄が広がっていった。

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