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"昭和29年、棟梁が祝いの柱を割った理由" 第18話

解の

、関係者の話しいはようやく形になり始めた。原田が傷みの確認された材の代替品と運搬費を相当分負担し、津久田が請負業者として事の調と部のを引き受ける。源吉も検品が分だった仕事について、約束した範囲で自分の報酬を減らし、補修に必な作業をうことになった。施主が負担する費用が残るもあり、それぞれの事に応じて話しうしかなかった。

田だけは、すぐに面へ判を押さなかった。が悪く、を空けるための苦労もきかったからである。「あんたたちはを分けって終われるが、俺は眠れなかった夜の分をどうする」と言った。源吉は返す言葉がなかった。謝れば済むものではない。田はやがて、自分が納得できる補修の確認と、今具がたの相談先を文へ加えることを求めた。

源吉たちは相談の記録を残すことを約束した。未来のすべてを保証するなどできないが、なくとも誰へ話せばよいか分からなくなる状態は避けたい。田はそれを確かめてから印を押した。源吉はを受け取っても、堵よりも背筋が伸びるいだった。類にいたことは、これから何も続く責任である。

文は印を押したをごとの封筒へ分け、控えを部ずつ残した。

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源吉は「には、このも黄ばんで読めなくなるかもしれん」と言ったが、文は「だから何枚か残すのよ」と返した。田のにはしい排の図も添えた。修繕したことだけでなく、なぜ直したのかが次の職にも分かるようにしたかった。

津久田は、源吉に対してしていた損害請求の部を取りげた。ただし以のように仕事を回すつもりはないと言った。源吉もそれは受け入れた。請負の世界では、度壊れた信用がすぐ戻るとはえない。津久田と源吉が互いに納得しきらないままでも、の補修はめられる。そのことが分かっただけで、いの終わりにはがあった。

豊は原田へ借りていたについて、記録を持って話しった。原田はから勝に差し引いた分を見直し、残りを清算することになった。源吉がついてこうとすると、豊は「自分で話してきます」と言った。歳の青はまだ器用だったが、逃げずに自分のしたことを話した経験が、しずつ背をまっすぐにしていた。

方、源吉のでは文の縁談が話しわれた。男は族ので「文さんと緒になりたい」と言い、澄も「の配だけで返事を待たせてすみませんでした」とをげた。源吉は娘に「おはどうする」と聞いた。文はし笑い、「私は最初から返事を変えていないよ」

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と答えた。つねは涙をぬぐい、久しぶりに祝いの煮物を用した。

その夜、男とで庭へた源吉は、娘がさい頃に描いた絵をいした。根のきなのに、族が並んでいる絵だった。今なら分かる。が作るのは根や柱だけで、のにいるたちがどうきるかまでは決められない。だが、をしのげる所を丁寧に作ることで、その暮らしを支えることはできる。

翌朝、柴田から連絡が来た。階の部がようやく使えるようになり、律子が引っ越しの準備を始めたいという。源吉は具箱を持ってかけ、最の建具の調子を確かめた。忠蔵はしい柱を見げ、「このには、余計な傷をつけんでくれよ」と冗談めかした。源吉は苦笑し、「傷つけなくて済むように、最初によく見ます」と答えた。

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