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"昼寝ばかりの嫁が、潰れかけの餅屋を救うまで" 第6話

員がっていた名

美穂はすぐには返事をしなかった。膝掛けを膝のへ畳み、伊藤の顔を見げる。数秒してから「お久しぶりです」と言った。文子は実印の箱を握ったまま、息子と娘を見た。健だけは、に見つけた聞記事のことをいしていた。真弓は何が起きているのか分からず、伊藤へ「りいなんですか」と聞いた。

伊藤は子へ戻らず、そので説した。ほど、まだ隣町の支にいた頃、担当していた品会社が倒産寸まで追い込まれたこと。その会社は売自体はきかったのに、利益が残らず、の本部から来たが何かも帳簿を調べても原因を絞れなかったこと。そして、本社から期だけ派遣された美穂が、赤字をす契約と、作れば作るほどが減る商品を次々見つけたこと。

「商品を減らし、損のる取引をやめ、残った現をどこへ回すかまで組み直したんです。あの会社は潰れませんでした。今も営業していますし、はもつ増えたと聞いています」

の空気が変わった。林は膝のの子をし、も美穂を見た。文子はしばらく言葉がなかった。「そんなが……どうして毎寝ていたの」。美穂はちがり、子の背へ膝掛けを戻した。「私は、答えが見えたら、むやみにき続けないんです。

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く働くより、どこを直すべきか先に見る方なので」

真弓は納得できない顔をした。「じゃあ、最初から全部分かってたの? 分かってたなら、なんでくやらなかったの」。美穂は首を横に振る。「最初から全部分かっていたわけじゃありません。帳簿の数字と、お母さんたちの働き方を見て、つずつ確かめただけです。それに、は私のものではありません。変えるなら、お母さんが納得しないと続きません」

伊藤は聞記事にていた当のことをもうし話した。美穂が最初にしたのは、社員へ「もっと働け」と言うことではなかった。売れば損をする商品を止め、無料で付けていたサービスを理し、回収できていない代を覧にした。会社のは最初、売ががることを恐れて反発した。それでもか、座に現が残り始めると、ようやく数字のを理解したという。

文子は百箱の注文で万円を失ったのことをいした。自分たちが今経験していることと、まるで同じだった。「じゃあ、私たちはのその会社と同じことをしてたのかい」。伊藤は即答せず、「似ている部分はあります」とだけ言った。美穂も文子を責める言葉を選ばなかった。

その、壁の計が午分を示した。真弓がを見て、い声で言う。

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「あと分」。のは静かだった。画をしたと言っても、客が押し寄せる気配はない。伊藤も類を閉じず、文子も実印の箱からをさなかった。

すると、ガラス戸の向こうでさな音がした。健が戸をけると、の女性がスマートフォンを見ながらっている。「よもぎ豆餅を売っているのは、ここですか?」。健は返事をしようとして、その女性のろを見た。そして言葉を失った。

文子は、美穂が自分の経歴を誇らなかった理由もしだけ分かった気がした。もし最初のに「私は会社を再建したことがあります」と名乗られていたら、文子はきっと反発し、餅と会社は違うと言い返していただろう。美穂は肩きで従わせるのではなく、族が数字を自分の目で確かめるまで待っていたのだ。

、そのろにまた。さらにそのろにもが続いている。列は、細い商の角の向こうまで伸びていた。

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