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"昼寝ばかりの嫁が、潰れかけの餅屋を救うまで" 第13話

借が減り始める

倉庫の理が終わり、保証の返還予定が面でた。売掛も、件のうち件から支払い計画が届き、最初の入が始まった。は返済条件を見直し、と材料もそれぞれ支払を決めた。には以のような「いつ払えるか分からない」というがなくなった。

もちろん、千百万円の借が消えたわけではない。毎決められた返済額はく、し売が落ちれば族の顔に緊張がった。ただ違うのは、どの商品でいくら残り、どの支払いがいつ来るか、全員が見えるようになったことだった。壁には返済表が貼られ、入するたびに健が数字をき換えた。

文子は午に起きるのをやめた。最初の数週は、体が勝に目を覚まし、布団ので計を見つめた。それでも美穂が「午で分」と決めた作業表を守った。作る量がなくなったため、夕方には閉できるが増えた。膝の痛みもしずつ軽くなった。

最初は、くを閉めることに罪悪があった。商ののにかりがついていると、「うちだけ休んでいいのか」と落ち着かない。美穂はそんな文子へ、「閉めたに赤字になる商品を作らないのも仕事です」と言った。文子は「休むのが仕事なんて、あんたらしいね」と返したが、以のような嫌ではなかった。

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方で、美穂は本当に週回しか帳簿を見なかった。それ以のは事をし、昼寝をし、々の子で膝掛けをかぶった。客のには「繁盛してるのに、お嫁さんは寝てばかりなのね」と笑うもいる。以なら文子も緒に苦い顔をしただろう。

ある、同じことを言った客に、文子はレジからて答えた。「起こさないでください。このをて直しただから」。客は驚いてから笑い、「それなら寝てもらわないとね」と言った。文子は美穂の肩から落ちかけていた膝掛けを拾い、埃を払ってそっと掛け直した。

、誰も直してくれなかった膝掛けだった。

がし定すると、真弓は売を増やすしい案をすようになった。ただし以と違い、最初に「これ、利益残る?」と美穂へ聞く。健も配達先を増やすに、との費用を計算する。文子は商品をいついても、いきなり毎作るのではなく、「に度だけ試す」と決めるようになった。

族が変わったのは、数字を信じるようになったからだけではない。数字を理由に、誰かが無理をするやり方をやめたからだった。以は文子が倒れそうでも「のため」、健が休めなくても「族だから」、真弓が無償で包装をしても「伝いだから」で済ませていた。それぞれのを無料だとわなくなったことで、仕事の量そのものが変わった。

その頃から、族はに度だけ「数字を見る夜」を作った。文子も逃げずに席へ座り、健が返済額を読み、真弓が予約数を確認し、美穂が利益のずれだけを指摘する。以なら帳簿は文子の責任だったが、今は全員が同じ数字を見る。悪い数字がても誰かを責めるのではなく、どこを直すかを決めるためのになった。

半、壁の返済表から最初のきな線がつ消えた。文子は赤いペンでその数字を囲み、しばらく見つめてから言った。「減るって、こんなに静かなものなんだね」。美穂は横で頷き、「増えるも、静かだったでしょう」と答えた。文子は苦笑しながら、赤いペンの蓋を閉めた。

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