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"昼寝ばかりの嫁が、潰れかけの餅屋を救うまで" 第18話

誰より働かなかった

ある、域の商会から文子へ、さな講演会での再建について話してほしいという依頼が来た。文子は最初「そんなげさなものじゃない」と断ろうとしたが、真弓が「失敗した話をすればいいじゃない」と勧めた。美穂は何も言わず、子で寝ていた。

当、文子は商会館ので何度も原稿をいた。そこには真弓がまとめた文章がかれていた。《商品を絞った》《予約制にした》《掛け売りを理した》《画で仕事を見せた》《保証と売掛を回収した》。どれも事実だが、文子には何かりない気がした。

会で話し始めると、最列にと林がいた。伊藤も仕事のに顔をしている。健と真弓はろに座り、美穂だけが来ていなかった。「がいところは疲れるので」とで昼寝していた。

文子は用した原稿を途で閉じた。

「うちのを救ったのは、誰よりたくさん働いたじゃありません」

会が静かになる。

「むしろ、族ので番よく寝ていたです」

さな笑いが起こった。文子も笑った。

「私たちは、く働けば働くほど真面目だとっていました。売が増えれば商売がうまくいっているとっていました。注文はいほどいい。商品はいほどいい。客には断らない方がいい。そう信じて、気づいたら、売るほど赤字が増えていたんです」

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文子は、百箱を売って万円失った話もした。講演を聞く主たちのには、驚いた顔をするもいれば、苦笑するもいた。無料配達や値引き、の付きいで断れない掛け売りに当たりがあるのだろう。文子は「うちだけの話じゃないかもしれません」と続けた。

「嫁は、私たちがる方向を変えました。は変えなかった。私のも変えなかった。変えたのは、赤字になる仕組みと、無理をする習慣だけでした」

講演、の主が「売を減らすのが怖くなかったですか」と聞いた。文子は正直に「怖かった」と答えた。「最初のは、嫁を追いしたいくらいでした。でも売が半分になったのに、初めてが残ったんです」。会にどよめきが起こった。

講演が終わると、が「番事なが来てませんね」と言った。文子は「今ごろ寝てますよ」と答えた。林が笑う。「それならは泰だ」

へ戻ると、本当に美穂は子で眠っていた。膝掛けが半分ずり落ちている。文子はそれを拾って肩へ掛けた。美穂は目を閉じたまま、しだけ元をかした。

「お母さん、講演どうでした?」

「起きてたのかい」

「半分だけ」

講演を聞いた若い主が帰り際、「休むのも経営なんですね」と言った。文子はし考えてから、「昔の私ならで笑ってた言葉だよ」と答えた。そして、自分が倒れたらそのものが消えるのだから、職の体もの設備と同じくらい守らなければならない、と続けた。

美穂が最初から言葉で教え込まず、文子自がそこへたどり着くまで待ったを、文子はそのあらためて理解した。

文子は帰り、講演で拍をもらったことより、自分が「休むこと」をで肯定できたことの方が議だった。

文子は呆れたように笑い、「やっぱり呑気な嫁だね」と言った。その言葉には、もう昔の棘はなかった。むしろ文子にとって「呑気」は、焦って違った方向へらないさをする言葉に変わっていた。

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