みかん小説
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"一等くじの切れ目" 第22話

昭。田の台所の隅に、さな気洗濯が置かれた。川が気の状態と置き所を確認し、主の承を取ったうえで配線をえた。はまだで運ばなければならず、排も気をつける必があった。それでも、の井戸端で何度もこすっていた類が、械のでぐるぐる回るのを見て、子はしばらくけなかった。

「お母ちゃん、洗濯、当たったんだね」

修が得そうに言った。子は首を振った。「違うよ。みんなで相談して買ったんだよ」。女の美津は洗濯のふたをのぞき込み、泡が流れるのを見つめた。自分がくじを細したは、こんなが来るとはっていなかった。あの夜、母は等を受け取らなかった。娘はしばらく、それを母が自分の気持ちまで拒んだのだとっていた。いまならし違うと分かる。

洗濯が終わるまでの、子は計帳を広げた。毎の支払いは続くが、計算してあるから暮らしが急に苦しくなることはない。洗濯を使ったからといって、母のすることがなくなるわけではない。を汲み、洗った物を干し、破れたを繕う仕事は残る。それでも、番たいにくをつけなくて済むようになったのは、子にとってきなことだった。

美津は洗濯を見ながら言った。「の暮れ、私があんなことしなければ、お母さんはもっとく買えたかもしれないね」

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。子は首を振った。「そんなことはないよ。あの頃は、買えるおなんかなかった」。そして娘のを握った。「でも、あんたが私を楽にしたかった気持ちは、ずっと覚えてる」。美津は何か言いかけ、結局黙った。母も娘も、言葉にしなくていいことがあるとっていた。

夕方、洗ったシャツを庭に干し終えると、子は戸を閉めた。では商から子供の声が聞こえていた。松葉堂のには、以よりさな福引の掲示がている。今は景品をなくし、主が持ち回りで会計を確認するそうだ。価な目玉はないが、そのことを残がる客ばかりではなかった。福引に当たる楽しみは、景品の値段だけで決まるものではない。

夜、栄が帰ると、子は初めて洗濯を使ったことを話した。夫はを運ぶ苦労がまだ残っていると聞き、「そのうち台所へを引けるといいな」と言った。子は笑った。「そのうちね。でも、先に今の支払いだよ」。栄も笑った。きなを話すのに、目のの帳面を隠す必はなくなっていた。

布団を敷く、子は箪笥の番から、あの角くじを取りした。半形の切れ目は今も残っている。等とかれた赤い字も消えていなかった。しばらく見てから、子はそれを計帳の最のページへ挟んだ。記ではなかった。欲しいものがあるほど、はつい誰かの言葉に従いたくなる。

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自分にも娘にも、あののことを忘れないでいたかった。

翌朝、久枝が洗濯のそばで言った。「お母さん、今の洗濯は私もやるよ」。子は娘のを撫でた。「いいよ。学へく用をしなさい」。すると久枝は首を横に振った。「お母さんだけがやるんじゃないって、約束したでしょう」。子は瞬、何も言えなかった。それから笑って、洗う物を緒に分けた。

昭の暮れ、子は等の洗濯を目のにして受け取らなかった。あの、何も変わらなかったように見えたの暮らしは、その半かけてしずつ変わっていった。洗濯がに入ったからではない。族の誰もが、母のがいつもたかった理由に、ようやく目を向けるようになったからだった。

※昭代の歳末福引、商、庭用気洗濯の普及を背景にした創作です。登物・団体・来事は架空です。

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