みかん小説
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"四十九日の絶縁" 第20話

胸元のガラスの靴

夕暮れ。 自宅兼事務所のリビングには、修平さんとさおりさんから届いた、等な祝いのケーキと果物が並んでいた。 「うわあ、美しそう! お母さん、切っていい?」 「はいはい、を洗ってからね」

キッチンで夕の支度をしながら、私はふと、カウンターの隅に置かれた枚の写真てに目を留めた。 そこに写っているのは、、義実での同居が始まる、族で伊豆のへ旅にったのスナップ写真。 公平が陽翔を肩し、が私のを握って、満面の笑みでピースサインを掲げている。

あの頃の私は、族を守るために、ひたすら自分がすることだけが正解だとい込んでいた。 理尽な侮辱に耐え、笑顔の仮面を貼り付け、波をてないように自分を押し殺すこと。 それが「良き妻」「良き嫁」の姿なのだと、自分を欺いていた。

だが、違った。 本当のさとは、理尽に耐え忍ぶことではない。 守るべき切な尊厳のために、毅然として境界線を引き、悪に対してノーを突きつける勇気を持つことだ。

私が義母に放った「最の」――姻族関係終届。 あれは、単なる復讐の刃ではなかった。 夫が遺してくれた子供たちの未来を、そして私自のの尊厳を、度と誰にも奪わせないための、神聖な防壁だったのだ。

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「お母さん、くおいでよ! ケーキべよう!」 ダイニングテーブルから、と陽翔の呼ぶ声が響く。

「はいはい、今くわよ」 私はエプロンをし、胸元にを当てた。 ブラウスの襟元から覗く、青いガラスの靴のペンダント。 あの、息子と娘がディズニーランドで選んでくれた、世界で番くて美しい魔法の宝物。

鏡のにち、私は角をキュッと引きげた。 誰かに言われて無理やり作る笑顔ではない。 の底から湧きがる、誇りとびに満ちた、本物の笑顔。

「スマイル、スマイル。私たちの笑顔が、私たちの幸せ」

振り返ると、眩いばかりのに包まれたリビングで、子供たちが最の笑顔で私を待っていた。 もう、私たちのくを遮る嵐はない。 私はを向き、温かなの満ちる卓へと、軽やかな取りで歩みをめた。

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