みかん小説
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"宅配箱を盗む隣家の子…餌を入れた翌朝、母親が激怒" 第1話

消えたつ目の荷物

「いてる。今ももらおうっと」

隣のの男の子がそう言っていたと聞いたのは、つ目の荷物が消えた朝だった。俺は榊哲也、歳。商でさなペットショップを任されている。き物の世話に休みはないし、仕入れの連絡も営業に来る。だから仕事を終え、のの宅配ボックスをけるが、ささやかな楽しみになっていた。

その届くはずだったのは、方のに注文したコーヒーカップだった。くなった父が使っていたものと同じ形で、ようやく見つけた品だ。配送会社の通には「配達完」とあり、添付写真にも確かに玄関脇のいボックスが写っている。なのに、ふたを持ちげるとは空っぽだった。鍵のつまみは施錠位置にあり、こじけられた跡もない。これで週に回目だ。

「またですか。変ですねえ」

声を掛けてきたのは隣の宮坂千晶だった。学の息子、航太の登を見送ったところらしい。蛍の腕章を巻き、通学の見守り当番の札を首からげている。千晶は域の事に顔をすのが好きで、何かあるたび「子どもの全が第」とにするだった。俺は事を説し、配送会社と警察に相談するつもりだと伝えた。

すると彼女の笑顔が消えた。「たかが荷物で警察ですか。

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子どもたちが怖がるでしょう。そういう騒ぎこそ、町の平を乱すんですよ」。俺は返事をせず、ボックスの蝶番を調べた。の留め具がし浮いていて、く押すと鍵を掛けてもふたが半きになる。以、修理を頼んだ業者は「この型は古い」と言っていた。誰かがけ方をっていれば、具なしでも持ちせそうだった。

千晶はそのをれる、ボックスの留め具を度だけ見た。俺が線に気づくと、彼女はすぐに顔をげ、「古いは何かと物騒ね」と笑った。父が入院していたころ、千晶は何度か買い物を届けてくれたことがある。あのときは助けられたとっていたから、俺も最初は疑いたくなかった。だが、今の言葉には配よりも、俺がどこまで気づいているかを探るような響きがあった。

そのの午、に所の森真子さんが来た。飼っている文鳥の餌を買いに来る常連で、うちの裏のを毎朝通る。「言おうか迷ったんだけどね」と声を落とし、昨、航太がうちの柱ので宅配ボックスをのぞき込んでいたと教えてくれた。「いてる、今ももらおう、って。冗談だとったの。でも、そのあとさな箱を抱えてったのよ」

俺はそので航太を棒と決めつけなかった。子どもの見違いかもしれないし、誰かに頼まれた能性もある。

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真子さんには見た刻だけ確認し、ほかのに広めないようお願いした。閉、配送会社へ過の配達記録と写真の保を依頼し、被害に遭った品名と額をノートに並べた。カップ、犬用の首輪、仕事で使う撮用ライト、籍。種類に共通点はない。

つの荷物のうち、つは夕方からのに届いていた。航太が学から帰る刻となる。だからこそ、いつきで問い詰めるのは危険だった。俺がりたいのは、誰が持ちったかだけではない。なぜ、鍵が掛かったはずの箱をけられるのか。そして、歳そこそこの子が本当に「今も」と言うほど繰り返しているなら、持ち帰った荷物はどこへったのか。

その夜、修理業者に連絡を入れるに、ボックスの内側をスマートフォンで撮した。留め具の横にはしい擦り傷が本あった。指で押すと、ふたが音もなく浮く。偶然の故障では説できないような、同じ位置に付いた傷だった。俺は初めて、荷物だけでなく、このの玄関そのものを誰かが観察していたのではないかとった。

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