みかん小説
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"竹林の向こうの白衣" 第12話

メンマペペロンチーノと私の

そのの夜。 之内先の自宅のダイニングには、欲をそそる芳醇なりがち込めていました。

きな平皿の央に盛り付けられたのは、私の得料理であるメンマのペペロンチーノでした。 兄から受け取ったあの瓶詰めのメンマを惜しみなく使い、オリーブオイルと粗みじんのにんにく、赤唐辛子とともにじっくりとを入れた皿です。

仕げに挽きたての黒胡椒をガリガリと振りかけ、パセリを散らしました。

「いただきます」 を脱いでリラックスした部着姿の之内先が、フォークをに取りました。

パスタとともにメンマをに運んだ先が、目を丸くして嘆の声をげました。

「……何これ、美しい! 普段のメンマと全然違うじゃない。シャキシャキしてて、噛むほどに旨が広がるわ」

「でしょう? あの裏ので作った、獲れたての初物ですから」 私もフォークでメンマを巻き取り、に運びました。

コリッとした確かな歯ごたえ。 ニンニクのばしさと、唐辛子のピリッとした辛の奥から、発酵したの豊かな甘みが広がっていきます。 度荒れ果て、入れされてしくまれ変わったがくれた、力い命のでした。

「ねえ、先」 私はワイングラスを傾けながら、ふと窓のの夜空を見げました。

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「何かしら?」

「って、増えすぎたら切らないとごと崩れちゃうんですよね。 でも、ちゃんと切って引きをしてあげれば、そこからまたしい命がえてきて、こんなに美しいメンマになる」

先はフォークを置き、悪戯っぽく微笑みました。

「ふふっ、またいこと自分のとねわせるじゃないの」

「実体験ですから」 私も釣られて笑ってしまいました。

幼いころ、私は族から切り捨てられました。 羅という歪な名をつけられ、病だからと奥に置きりにされ、しないものとして扱われました。

けれど、あの族から切りされたからこそ、私は之内先という本物の親に会い、自分ので考え、自分のでちがるさをに入れることができました。

のをけ、詰まった血管を切り拓き、命を救う。 そんな医師としての誇りあるを、私は今、確かに自分ので歩んでいます。

「ごちそうさまでした」 お皿ののパスタをきれいに平らげ、フォークを置きました。

胸の奥には、もう過に対するりも、寂しさも、片の澱みも残っていませんでした。 あるのは、もまた誰かの命を救うためにきるという、静かで確かな決だけです。

夜がカーテンを優しく揺らしました。 いの林のざわめきが、の奥でよく響いているような気がしました。

もう、丈夫。 私は私のを、これからも真っ直ぐに、力く切り拓いていくのです。

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