みかん小説
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"終電の次の駅は私の名前――ホームには亡き祖母がいた" 第3話

誰もいない内

目を覚ましたとき、はいていた。けれど、内には私以、誰もいなかった。

浦さんが座っていた席は空いている。隣の両にも、はなかった。私はまず、りる駅を過ぎたのだとった。終で寝過ごすことは珍しくない。慌ててスマートフォンを取りしたが、画面には圏の表示がている。刻は午零で止まったまま、何度押しても変わらなかった。

窓のは真っ暗だった。線沿いのも、駅の板も、いつも見えるコンビニの灯りもない。がっているのは分かるのに、の景だけが消えていた。

「次の駅に着けば分かる」

自分に言い聞かせ、私は席をった。の両へけば、誰か乗務員がいるかもしれない。連結部分の扉をけて、次の両へ移る。座席のも、つり革の形も、広告も、いつもと同じだった。転職サイトの広告、栄養ドリンクの広告、化粧品の広告。どれも見慣れている。

ただ、ひとつだけ見覚えのない広告が混じっていた。

「今の繰りがりのおらせ」

きな見しのに、らないの名が何も並んでいる。名の横には付らしい数字がかれていた。誰の何のらせなのか分からず、私は目をそらした。けれど、広告のの方に「駅名は順番に変わります」とあるのを見つけ、が止まった。

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両番号を確かめながら、さらにへんだ。号、号。その先が号だった。号がない。もう度ろを振り返っても、連結部分の向こうに見えるのは号だけだ。号をばして、号へんでしまったらしい。

内には、誰もいない。いちばんまで来ても、運転席には黒いカーテンが掛かっていた。その隙から、赤みがかったかりがゆらゆら漏れている。私は扉を叩いたが、返事はなかった。

やがて、内放送が流れた。

「ご乗ありがとうございます。このは、空席のないまま運しております」

落ち着いた男性の声だった。どこかで聞いたことがあるようにえたが、誰の声かまでは分からない。

「次は、田辺しげる。おは側です」

駅名ではない。の名に聞こえた。私はもう度、広告をいした。名の横に並んでいた数字。駅名が変わるという言葉。考えたくないことが、のでつながりかけていた。

がしずつ速度を落とす。窓のに、ホームのかりが見えた。

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