都内の広告会社で働く28歳の佐伯美咲は、毎晩のように終電で帰る生活を続けていた。ある夜、車内で目を覚ますと、乗客は自分一人。窓の外に街の明かりはなく、車内放送は駅名ではなく人の名前を告げ始める。停車するホームに現れるのは、亡くなった同級生や懐かしい祖母。そしてついに、放送が美咲自身の名前を呼んだ。右の扉の向こうで手招きする祖母と、姿の見えない運転士。美咲はこの不思議な終電から、元の世界へ帰れるのか。疲れ切った日常に忍び込む、少し切ない怪異譚。
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