みかん小説
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"初孫の誕生日に締め出された私、翌朝すべての援助をやめた" 第5話

帰りの沈黙

に戻ってから、彦はすぐにはエンジンをかけなかった。私は膝のの包みを見つめていた。のおもちゃの箱には、員が貼ってくれたさなリボンがついている。誕会で渡すつもりだったから、きれいに包んでもらったのだ。

「帰ろう」

彦が言った。

私は「うん」と答えた。それ以、何も言えなかった。

帰り、ラジオはつけなかった。内にはエンジンの音だけが続いていた。信号で止まるたび、私は息を詰めた。あのに戻って、健に聞きたいことはたくさんある。けれど、今は何を聞いても、答えを受け止められる気がしなかった。

に着くと、彦は先にリビングへ入り、お茶を入れた。私は玄関にったまま、プレゼントを抱えていた。

「忙しかったんだろう」

彦が言った。自分に言い聞かせているような声だった。

「忙しいだけなら、玄関くらい入れてくれるわよ」

私はそう答えた。彦は、湯呑みをテーブルに置いたきり、何も言わなかった。

その晩、私のには、このの来事が次々と浮かんだ。妊娠が分かった、由美子がべられるものを届けたこと。産に泊まり込みで伝ったこと。ベビーベッド、ベビーカー、チャイルドシートを買ったこと。毎の保育料を振り込んだこと。

「私たち、いくら使ったのかしら」

私がぽつりと言うと、彦はし考えた。

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「妊娠の買い物や材で、に万円くらいか。かなら万円。産のも、ベビー用品が万円かったな」

私はその数字を聞いて、息をのんだ。毎の保育料や活費の援助は、別にある。材や用品の分も入れれば、かなりの額になる。

でも、悔はなかった。あのは本当にうれしかったのだ。悠斗がまれることも、息子夫婦の役にてることも、すべてがびだった。

「自分たちのために、何か使ったか?」

彦が尋ねた。

私は答えられなかった。しいも買っていない。旅にもっていない。彦が欲しがっていた物置も、まだ古いままだった。自分たちのことは、いつも回しにしていた。

「悠斗のため、健のためってってたのよ」

「俺もそうってた」

彦は、湯呑みを両で包んだ。

「でも、今のことは違うな」

私は、あのドアが閉まる音をいした。から聞こえた笑い声。プレゼントを受け取ろうとしなかった由美子の。健の姿は、最まで見えなかった。

その、テーブルののスマートフォンが鳴った。画面には「健」と表示されていた。私はしだけ期待した。謝ってくれるのかもしれない。何か事があったと言ってくれるかもしれない。

私は、通話ボタンを押した。

「もしもし、母さん?」

健の声は、いつもと変わらなかった。私が玄関のにたされたことなど、らないような声だった。

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