"看護師を捨てた元彼、10年後に妹の名刺を踏みつけた" 第4話
を削る々、そして突然の宣告
それからの私の活は、坂を転がり落ちるように「志への尽くし」になっていきました。
賃、費、費、果ては志のサークル活の経費や交際費まで、すべて私の護師の料から支払われました。 自分のを買う余裕などどこにもなく、化粧品はドラッグストアのテスターや番い試供品で済ませる々。 夜勤の回数を無理やり増やし、夜勤けのフラフラな体のままスーパーで特売の材を買い込み、志のために夕を作る毎でした。
けれど、志の態度はしずつ横柄になっていきました。
「今の肉じゃが、付けくない? もっと甘辛くしてよ」 「呂掃除、排の毛ちゃんと取った? 清潔のないなんて息が詰まるんだけど」
かつての優しい労いの言葉は消え、をけば文句と指図ばかり。 それでも私は、「ごめんね、次から気をつけるね」と、無理に笑顔を作って謝り続けました。
志と別れたくない。 彼を失ったら、私のこれまでの努力やがすべて無駄になってしまう。 サンクコストに縛られた私は、自分の違やしみに固く蓋をして、見ないふりをし続けました。
「志だって、私たちの幸せな将来のために、サークル活を頑張ってくれているんだから」 夜遅くに帰宅する彼の背を見つめながら、私はそう自分に言い聞かせていました。
広告
同棲を始めてが過ぎた、たいの夜のことでした。
その、志はいつもよりいにアパートへ帰ってきました。 には、どこかで見慣れない級そうな袋を持っています。
「おかえり、志。ご飯できてるよ」 エプロン姿の私が笑顔で迎え入れた瞬、志は靴を脱ぎながら、吐き捨てるように言ったのです。
「ヒナ、別れよう。俺、ここをてくから」
部の空気が、瞬にして凍りつきました。 にしたおたまがに落ちそうになるのを、私は必でこらえました。
「……え? 志、何を言ってるの?」 私の問いかけに、志は酷な差しを向けてきました。
「そのままのだよ。に好きなができたんだ。 だいたいさ、おも悪いんだぞ? 同棲始めてから、にに化粧も抜きになって、髪もボサボサでもダサいしさ。 もうおのこと、女として見れないんだよね。緒にいるだけでテンションがるわ」
志はクローゼットをけると、あらかじめ用してあったきなスーツケースに、自分のを際よく詰め込み始めました。 まるで、最初からすべて計画されていたかのような際の良さでした。
「待ってよ……! 私が自分におをかけられないのは、志の活費を全部払っていたからじゃない! 志が事を何もしないから、私が眠を削ってやってたんじゃないの!」
私の痛な叫びを、志は先でせせら笑いました。
「は? 頼んでもないのに勝に尽くしておいて、恩着せがましいこと言ってんじゃねえよ。 のせいにするなよな。みっともない」
志はスーツケースのジッパーを勢いよく閉めると、私の横を乱暴にすり抜けて玄関へ向かいました。 引き留めようと伸ばした私のは、たい空気を掴んだだけでした。
バタン、といドアの閉まる音が、静まり返ったワンルームに無慈に響き渡りました。
広告
おすすめ作品
-
完結第15話
義母の老人ホーム代120万円を勝手に約束した夫
医療機器メーカーで働く結衣は、結婚以来、夫の翔太と義母の幸子に頼まれるまま、家電の買い替えや旅行代を負担してきた。月7万円の仕送りも、半分出すと約束した夫は一円も払わない。それでも家庭を壊したくない一心で我慢していたが、義母はついに結衣の勤務先へ送金を催促する電話をかけてくる。さらに夫は、義母が希望する高級老人ホームの入居金120万円まで、結衣に無断で支払う約束をしていた。夫のスマホに届いた一通のLINEをきっかけに、結衣は自分の人生を取り戻す決意をする。人生逆転|嫁姑|夫婦|絶縁|介護|金銭問題2.7万字5 38 -
完結第15話
認知症の父を「逮捕しろ」と叫ぶ姑――孫の一言で形勢逆転
夫を突然亡くした佳苗は、幼い二人の子どもを育てながら、認知症になった父の介護も引き受けることになった。心身ともに限界を迎えるなか、支えになってくれたのは小学六年生の息子・亮太だった。家族で父の実家へ引っ越し、ようやく穏やかな暮らしを取り戻したかに思えたが、何かにつけて佳苗を責める姑が、またもや騒ぎを起こす。ある日、仕事中の佳苗に亮太から緊急の電話が入った。急いで帰宅すると、家の前にはパトカーが。家の中でいったい何が起きたのか。姑の言い分に対し、亮太が語り始めたのは……。祖父母と孫|嫁姑|絶縁|親子関係|介護|認知症1.6万字5 132 -
完結第15話
生活費を奪って消えた母、20年後の再会で私が頼んだもの
小学四年生の秋、美咲の母は家の生活費と預金を持ち去り、突然姿を消した。残された父は工場で懸命に働きながら娘を育て、給料日には食堂へ連れていってくれた。「好きなものを食べなさい」と笑う父が、自分のために頼むのはいつも水だけだった。苦しい日々を二人で乗り越え、大人になった美咲の前に、長年音信不通だった母が現れる。何事もなかったように振る舞う母を、美咲は高級レストランへ誘った。そこで彼女が選んだものには、父と過ごした忘れられない日々への思いが込められていた。夫婦|絶縁|親子関係|金銭問題1.9万字5 61 -
完結第15話
誕生日に姪を選んだ夫、3年後の再会で絶句
読書好きで控えめな陽菜子は、誠実だと信じていた夫・高尾と穏やかに暮らしていた。ところが三十歳の誕生日、夫は姪の百花を連れて現れ、妊娠を告げたうえで離婚届を突きつける。「子供ができないお前が悪い」と責められ、家まで追い出された陽菜子は、誰も自分を知らない町で新しい生活を始める。やがて高校時代の同級生との再会をきっかけに、少しずつ前を向けるようになっていく。そして数年後、偶然出会った元夫と姪の前で、思いがけない出来事が起こる。因果応報|人生逆転|夫婦|親子関係|修羅場|不倫2.1万字5 296