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"看護師を捨てた元彼、10年後に妹の名刺を踏みつけた" 第10話

られざる顧問弁護士の正体

「ふ、ふざけんなよ……!」 志は追い詰められた獣のようにを剥き、必に虚勢を張ろうと声を張りげました。

「や、やれるもんならやってみろよ! 俺の会社にだってな、腕利きの顧問弁護士がついてんだ! おみたいな若造の弁護士が束になってかかってきたって、うちの顧問弁護士が全部握りつぶしてくれるわ!」

ギャーギャーと吠える志を、桃はれむような目で見つめていました。 そして、静かに、氷を浮かべたような声で尋ねたのです。

「それって……『田総法律事務所』の、田弁護士のことですか?」

「な……っ!?」 志の目が、びさんばかりに見かれました。

「な、なんで……おがその名をってんだよ……!」

桃はテーブルのに放置されていた志の名刺を指先でトントンと叩きました。

「お名刺を拝見しましたから。 株式会社ネクスト・イノベーションの顧問弁護士が誰かなんて、業界内では周の事実ですよ。 だって……あなたの会社の顧問弁護士、私の夫ですもの」

「……えっ!?」 今度は、私の方が驚いて声をげてしまいました。

桃の夫――私の義弟にあたる男性は、確かに法律事務所でパートナーを務める優秀な弁護士だと聞いていました。 けれど、まさか志の会社の顧問弁護士を担当していたなんて、そんな偶然があるのでしょうか。

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志はをパクパクと魚のように閉させ、完全に言葉を失っていました。

桃はややかに微笑み、さらに追撃の言葉を放ちました。

「顧問契約とはいえ、クライアントが公然と犯罪為に及んだ、信頼関係の破綻を理由に即座に契約解除することが能です。 ましてや、自分の妻の実の姉を、公衆の面で侮辱した相の弁護を、私の夫が引き受けるとでもおいですか?」

志の顔から、完全に血の気が失せました。 気になった肌に、脂汗が滝のように流れていきます。

「そうそう、夫をおや位で丸め込もうなんて考えない方がのためですよ。 私の夫は、倫理観と正義で仕事をしているですから、そのような当な圧力に屈するような器のさいではありませんので」

桃の容赦ない宣告に、志のプライドは々に砕されました。

弁護士を雇って対抗するどころか、自社の顧問弁護士から契約を打ち切られ、法廷で完全包囲される未来。 志はガタガタと膝を震わせ、耐えきれなくなったように、フードコートのへ向かって転がるように逃げしていったのです。

残された私たちの周囲から、どこからともなく、パチパチと拍が沸き起こりました。

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