"赤城山に消えた幸" 第8話
その常識に縛られていた。
だが犯は、その常識を利用していた。
20069、方裁判所で裁判がかれた。
苗は傍聴席に座っていた。
被告席に座る田健と目がった。田はすぐにうつむいた。
苗は線をそらさなかった。
1、妹を探し続けた目で、まっすぐに彼を見つめていた。
田は殺および体遺棄の罪で起訴された。法廷では、偶発な犯であり、計画したものではなかったと主張した。
しかし裁判所は、犯に証拠を隠滅し、遺体を遺棄し、1何事もなかったように活していた点をく見た。
判決は無期懲役だった。
田健はうつむいたまま、法廷をにした。
幸の遺骨は、姉の苗に引き渡された。
1ぶりに見つかった妹は、たい遺骨となって帰ってきた。
葬儀は静かにわれた。族と親しいだけが参列した。
苗は妹の遺のにくっていた。
ようやく見送ってあげられる。
彼女はのでそうつぶやいた。
その、苗は幸の遺骨を故郷の墓へ納めた。両親の隣だった。
いがかかった。
だが、ようやく妹をに連れて帰ることができた。
赤には、再びが来た。
芽が芽吹き、野鳥の声が森に戻った。
は何も語らない。
200535、そこで何が起きたのかを、はただ黙って見ていた。
だが、真実は消えなかった。
1、暗い浄化槽の底に隠されていても、いずれのへ引きずりされた。
幸は、ただ平凡にきたかっただけだった。
婚も1でを向き、週末ごとにへ登り、ささやかな幸せを見つけていた。
その常を奪ったのは、ではなかった。
拒絶を受け入れられない執着だった。
相を尊できないは、どれほど美しい言葉で飾っても、にはならない。
赤は今もそこにある。
には芽が芽吹き、には葉がづく。
そして、そのを歩く々のには、今も覚えているがいる。
2005の、きの帰りで姿を消した、幸という女性のことを。
― 完 ―
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