2005年春、群馬・赤城山の山開きに参加した52歳の女性・木村幸が、下山中に忽然と姿を消した。 最後に彼女と一緒にいたのは、山岳会の登山リーダー・田中健二。彼は「彼女は先に下りた」と証言したが、幸は打ち上げ会場にも、自宅にも戻らなかった。 警察、消防、山岳救助隊による大規模な捜索が行われたものの、足跡も所持品も見つからない。まるで山の中で、彼女だけが消えてしまったかのようだった。 それから1年後。 赤城山の麓にある廃山荘のリフォーム工事中、古い浄化槽の中から人骨が発見される。そばには登山靴、指輪、壊れた携帯電話。 山で消えたはずの女性は、なぜ登山道から離れた廃山荘にいたのか。 そして、彼女の最後を知っていた人物は誰だったのか――。