みかん小説
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"講堂に残された角帽" 第6話

翌の夕方、竜はようやくをいた。

「申しげます」

鬼塚係は録画材を作させ、姿勢を正した。

竜が語り始めたのは、1995224の朝のことだった。

竜は、卒業式の朝、誠郎が夜に父の研究を訪ねたことをった。

「そのらせを、私は研究くの助から聞きました。が真っになりました。父がこの件を学に取りげれば、私の論文は取り消され、学位も無効になり、会社からも追われる。父の顔にもを塗ることになるといました」

彼は式の始まる20分ほど、誠郎のところへった。

「父のことだ」と言えば、誠郎は素直についてきた。

竜は誠郎を講堂の裏から、通りのない事断区域へ連れていった。再発が取りやめになり、コンクリートの基礎だけが打たれたまま放置されていた所だった。

そこで竜はをげた。

「今回ばかりは伏せておいてくれ。私の将来のすべてがかかっている。学会誌の掲載は取りげる。謝罪もする。何でもするから、正式な問題提起だけはやめてくれ」

しかし誠郎は首を横に振った。

「先輩、これはおや世体の問題ではありません。研究者としての良の問題です。私は自分がいた研究を奪われたまま、社会にていくことはできません」

誠郎が踵を返そうとした瞬、竜はその腕を掴んだ。

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2の体がぶつかり、いもみいになった。

そのには、事用の角材が転がっていた。

「私は、それをにしてしまいました」

竜は度く誠郎を打った。

誠郎はろへ倒れ、コンクリートの基礎にを打ちつけた。ほどなくかなくなった。

竜はいことそのにっていた。

そして次の瞬、このを覆い隠さなければならないとった。

彼は誠郎の骸を、コンクリート基礎のくぼみに移し、周囲のと資材で覆った。

その、の埃を払い、タクシーを拾ってに戻った。

「私は10もの、あの所に再び事が入らないようにと、それだけを願っていました」

翌の未、警察の鑑識班と科学捜査研究所の法医学チームが、その事断区域へした。

竜の供述に従って掘りげると、そのの昼、古びた布切れとともに1分の遺骨が見つかった。蓋骨の側部には、はっきりとした鈍器による骨折があった。

3、遺骨は笠原寛治と美代子の息子、笠原誠郎であると確定された。

20055の点で、殺罪の公訴効はまだ残っていた。裁判所は藤竜に対する逮捕状を発布した。

数、誠郎の遺骨は阪泉のへ戻った。

棺の置かれた部で、美代子は息子のに座った。10の、彼女は息子を失ったとはにしなかった。

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誠郎はいつも戻ってくるであり、自分はいつも待つだった。

その歳が終わった所で、美代子は初めて声をげて泣いた。

「誠郎、母さんが来たよ。誠郎」

寛治は、101度もけなかった茶の鞄を取りした。

には、1995224、稲田学の講堂の奥の子に置かれていた黒い卒業ガウンと角が、当のまま畳まれていた。

寛治は角を両で支え、ゆっくりと息子の棺のに乗せた。

「誠郎、おの覚悟を、父さんが10守ってきた。さあ、これからはおが持っていきなさい」

翌、稲田学商学部から1枚の卒業証が阪へ届けられた。

本来なら1995224に発されるはずだった証だった。壇で名を呼ばれても、受け取ることのできなかった卒業証だった。

美代子はそれを両で受け取り、ゆっくりと息子のに供えた。

「誠郎、よく頑張ったね。これで、うちの誠郎もちゃんと卒業したんですよ」

10、講堂の奥の子に置かれていた黒いガウンと角は、ようやく居所を取り戻した。

警察署の類綴りので、鬼塚係は古い事件番号の脇に最の1をき入れた。

「終結。被害者遺骨引き渡し。被疑者逮捕の、送検」

10もの、類棚の奥くに眠っていた古い事件は、正式に閉じられた。

そして、1つの庭のいも、ようやく終わりを迎えた。

― 完 ―

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