"実家ホテル終了の日" 第4話
夫は画面を見て、目を閉じました。
「完全に、指示だな」
私はさく笑いました。笑わなければ、泣いてしまいそうでした。
「まるでホテルのスタッフね」
「いや、ホテルのスタッフなら料がる」
夫の言葉に、私は胸が詰まりました。
その夜、私は眠れませんでした。
夜1を過ぎてもリビングの灯りはついていました。夫も眠れなかったようで、めた茶をに座っていました。
「子」
夫は私を見ました。
「今回は俺も本当に許せない」
その言葉を聞いた途端、涙がこぼれました。
「ここまで軽く見られるなんて、私、何か悪いことをしたのかしら」
夫はちがり、私の肩を抱き寄せました。
「おは何も悪くない。むしろ息子のために尽くしすぎたんだ。それが当たりになってしまった」
「でも、親としてこれでよかったのかしら」
「子、俺たちは息子の都のいい具じゃない。ちゃんとを持っただ」
その言葉が、私の胸にく響きました。
私は涙を拭き、夫の目を見ました。
「私、決めたわ」
夫は黙って頷きました。
「もう都のいい母親はやめる。息子たちに本当の現実を教えてあげる」
夫の目にも、い決が宿っていました。
「ああ。それが本当の親のだ」
その夜、私たちは夜がけるまで話しいました。
どうすれば息子に気づかせることができるのか。
どうすれば私たち自の尊厳を守れるのか。
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そして朝が昇る頃には、私たちのに迷いはありませんでした。
翌朝、私たちはまずの類を確認しました。
夫が斎から登記簿謄本を持ってきて、ダイニングテーブルのに広げました。窓のでは朝のが庭に差し、いつものように穏やかな1が始まっていました。
けれど、そのの私のは、昨までとは違っていました。
「子、ここを見てくれ」
夫が類の部を指で示しました。
所者の欄には、はっきりと私の名が記されていました。
「このは完全にお名義だ」
夫の声は落ち着いていました。
私はその文字をじっと見つめました。
このは、私が30代の頃に購入したでした。独代から公務員として働き、こつこつ貯めたおでをしました。結婚もローンの返済を続け、計をやりくりしながら守ってきた所です。
直を育てたでもあります。
族のいが詰まったです。
けれど、それは誰かが勝に使っていい所ではありません。
「息子には切権利がない。俺の名すら入っていない」
夫は静かに言いました。
「つまり、このをどう使うかは、完全におの自由だ」
私はゆっくり息を吸いました。
「私の……そうよね。私のなのよ」
その言葉をにした瞬、胸の奥にあった迷いが消えていきました。
夫はスマートフォンをに取りました。
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「鍵の交換業者を探そう。旅のには来てもらえるところがいい」
私は頷き、緒に業者を調べ始めました。
何件か話をかけた、ようやく対応してくれる業者が見つかりました。
「旅の17でしたら伺えます」
話の担当者がそう言いました。
私はほっと息をつきました。
「最のセキュリティ能付きの子ロックをお願いします」
「暗証番号式のものですね。古い鍵は使えなくなりますが、よろしいですか?」
「はい、それでお願いします」
話を切ると、夫がさく頷きました。
「徹底しているな」
「途半端にしたくないの」
私はそう答えました。
鍵を替える。それは単なる防犯のためではありませんでした。
私たちの活に勝に踏み込まれないための、境界線を引く為でした。
その、私はふといつきました。
「ねえ、私たちも旅にきましょうか」
夫は驚いたように顔をげました。
「旅?」
「直たちが来るに、私たちがにいたら、きっとまた言いいになるわ。だったら私たちもにましょう。せっかくだから、良いホテルに泊まりましょう」
夫の顔に理解のが浮かびました。
「なるほど。それは名案だ」
私たちはすぐにパソコンをき、内の温泉付きホテルを探しました。皮肉なことに、息子たちがホテル代を浮かせようとしている方で、私たちは自分たちのためにホテルを予約していました。
「ここはどうだ?眺めも良さそうだ」
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