"海が隠した最後の写真" 第6話
鈴は倉庫のに並べられた遺品を見つめ、苦々しくつぶやいた。
「すべての始まりが、あの事件だったのか」
事件の全貌がらかになると、本が騒然となった。、単なる事故として処理された若い恋たちのは、密輸組織と連続殺につながる事件だった。
20054、最裁判所の法廷で判決が読みげられた。
「被告、野を連続殺および犯罪組織運営の罪により、刑に処する」
傍聴席からすすり泣きが漏れた。
「被告、武志を殺幇助および体遺棄の罪により、懲役に処する」
武志は力なくうなだれた。
続いた沈黙が、ようやく終わった瞬だった。
か、京郊の納骨堂に、桜と健太の遺族が集まった。目にしてわれる、あまりにも遅すぎた葬儀だった。
健太の母、芳は息子の遺骨を胸に抱いた。
「健太、やっとお母さんがちゃんと送ってあげられるね」
桜の両親も、娘の写真を抱きしめて泣き崩れた。
「桜、ごめんね。お父さんとお母さんが遅すぎた。ごめんね」
遺族たちは笠原へ向かうに乗った。が初めて訪れた父島の沖で、遺をへ撒くためだった。
青いの、いがにう。
芳は震える声で言った。
「健太、これからは桜さんと緒に、苦しまずに眠りなさい」
カモメの群れが、しげに鳴きながら空を旋回していた。
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事件、警庁未解決事件捜査班は正式に解散した。鈴警部はガランとしたオフィスで、自分の荷物を段ボールに詰めていた。
田刑事がづき、静かに言った。
「警部、これでの過ちを取り返せましたね」
鈴はを止めなかった。
「それでも遅すぎた。もっとくけていれば、もっとくのを救えたかもしれない」
その顔には、い悔が刻まれていた。
「今回の事件を最に、期退職を申請した」
田は驚いて顔をげた。
「急にですか」
「もう、忘れてきていかなければならない。この記憶を抱えたままでは、へめない」
笠原では、事件の真相を報じた井記者が聞協会賞を受賞した。壇で彼は言った。
「この賞を、無にも犠牲となったすべての被害者に捧げます」
しかし彼もまた、桜の最の写真が脳裏に浮かぶというい傷を抱えることになった。
漁師のは偽証で罰を命じられたが、それ以の罰を受けた。たちは彼をたい目で見た。
「わずかなで良を売った男だ」
はそのも、さな島で罪のようにき続けるしかなかった。
、2008の。退職した鈴はで再び笠原を訪れた。かもめ荘があった所は廃墟となり、雑だけがい茂っていた。
鈴がその跡を見つめていると、の若い女性が通り過ぎた。
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代半ほどの、無表な女性だった。
武志の娘だった。
の線が瞬だけ交わる。互いが誰なのか、言葉にしなくても分かった。女性は先に顔を背け、そのまま歩いていった。鈴も声をかけなかった。
その、鈴は父島の岸辺へ向かった。桜と健太が初めてこの島にを踏み入れた所だった。ポケットから菊のを輪取りし、へ向かって静かに投げた。
「もう、すべて終わった。らかに眠れ」
黄いびらが波に乗り、くへ流れていく。はと同じように、何も語らなかった。
野は刑を宣告されたが、最までから謝ることはなかった。武志は刑を終えたあとも、父親のから逃れられなかった。桜と健太の族は、真実によって慰められるどころか、もっとく捜査されていればという苦しみを背負うことになった。
笠原のさな漁には、今もあのの傷跡が残っている。隣を信じられなくなった々、ので良を捨てた者へのり、そして若いを救えなかった悔しさ。
それでも、真実はいつか必ず姿を現す。
たとえいがかかっても、がすべてを記憶しているように。
そして、い所で眠っていた台の古いカメラは、最に残された枚の写真で、沈黙を破ったのだった。
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