"海底の防水バッグ" 第1話
201010。久島域のたいので、1のダイバーが底ケーブルの設置作業をっていた。15メートルの、界を遮る濁ったのを探りでんでいたダイバーの指先に、突如としてたくてい触が触れた。
「おや、これは何だ?」
ダイバーはで目を細め、慎に周囲のをかき分けた。現れたずっしりとした物体を両で掴み、面へと引きげていく。それは、黒いゴム製の特殊なシーリングが施されたダイビング用の防バッグだった。20以のいを底で過ごしていたとはえないほど、バッグの状態は驚くほどきれいに保たれていた。
にがったダイバーは、濡れた髪を拭いながら、待していた仲たちに発見したバッグを差しした。
「これ、に何か入ってるみたいだ。かなりいぞ」 「にけないで、まずは保庁に通報しよう」
仲のがバッグのさを確かめ、すぐに連絡を入れた。こうして、バッグは久島保署へと引き渡されることになった。
暗い取調の机ので、捜査官がハサミを使って慎にバッグの密閉を切りいた。からてきた遺留品を並べた瞬、捜査官たちの顔に訝しげな表が浮かんだ。バッグのには、1988のカレンダーと、「佐藤エミ」という名がはっきりと読み取れるフェリー乗務員の名札、そして油とビニールで丁寧にに包装されたさな帳が入っていたのだ。
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「88……なんてこった、22のものじゃないか」 「佐藤エミ。この名、どこかで聞いたことがあるような気がするな」
捜査官は名札の文字を指でなぞりながら、古い記憶を呼び起こそうと呟いた。事態の性を察した保署は、この件を鹿児島警察署の未解決事件担当チームへと移管した。
数、未解決事件チームのオフィスで、ベテランの田刑事が送られてきた古い事件ファイルを受け取った。田は50代半ばの痩せ型で、鋭いを持つ刑事だった。20以警察官としてき、数くの未解決事件を扱ってきたが、田の捜査帳に「諦め」という言葉はしなかった。田は老鏡をかけ、誇りを払いながらファイルをめくった。
「ずいぶんと昔の事件だな……」
田の横で、チームの若い鈴刑事がコンピューターのに座り、素く警察のデータベースを検索し始めた。画面に次々と文字が表示される。
「班、佐藤エミを見つけました」
鈴刑事はモニターを指差しながら、背筋を伸ばした。
「1988512、鹿児島から久島へ向かうフェリーので方になり、失踪扱いになっている24歳の女性乗務員です」
田刑事は子をぐっと引き寄せ、画面に表示された彼女の顔写真を注く見つめた。
「消えてから22も経つのバッグが、なぜ今頃になって底から現れたんだ?」
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「当の捜査記録を詳しく探してみます」
鈴刑事はキーボードを数回叩いたが、すぐに眉をひそめてを止めた。
「あ、おかしいですね。当の詳しい捜査記録が、データにはほとんど残っていません。『所轄署の倉庫の災で消失した』とだけかれています」
田刑事は審そうに目を細めると、ビニール袋から厳に保管された帳を取りし、慎にページをいた。に濡れて度乾いた跡があり、同士がくっつきっていたが、特殊な包装のおかげで文字の痕跡はかすかに残っていた。しかし、半のページは滲んだインクのシミか、あるいは暗号のように見える数字の羅列で埋め尽くされていた。
「すぐに科学警察研究所に送れ。何かがかりが得られるか、跡鑑定と内容の復元が能か確認してくれ」 「はい、すぐに配します」
鈴刑事が受話器をに取り、科警研への鑑定依頼をめる。そのも、データベースの記録を丹にスクロールしていた田刑事の目が、ある記述を見つけてきく見かれた。
「鈴刑事、ちょっとこっちへ来てこれを見てくれ。これ、妙だとわないか?」 「えっ……? はい。佐藤エミの失踪届が、毎5に更されています。22、度も欠かさずにです」
鈴は画面を覗き込み、驚きの声を漏らした。
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