"水亀の下に消えた嫁" 第5話
として扱われることになった。
捜査本部は縮された。
数かには担当者も減らされた。
伊藤刑事だけが諦めきれなかった。
彼は何度も資料を見返した。
さゆりさんの。
教会での証言。
母親の証言。
100万円の引きし。
夜の異音。
亀。
全てがつの方向を指しているようにえた。
しかし決定な証拠がしなかった。
やがてが流れた。
1994。
1995。
1996。
杉並区の宅はしずつ姿を変えていった。
そして失踪から数。
斉藤ふみさんはを売却した。
古い瓦根のは取り壊された。
庭も消えた。
亀もなくなった。
しいアパートが建てられた。
現そのものが消えてしまったのである。
伊藤刑事は解決できなかった事件のファイルを保管庫へ収めた。
棚に置かれたファイルの背表には静かにかれていた。
「斉藤さゆり失踪事件」
そのまま事件はのへ埋もれていった。
2006。
杉並警察署。
展示警部補は机のに置かれた匿名のを見つめていた。
「19934、杉並区佐賀の瓦根のの庭。古い亀のを掘ってみてください」
たった文だった。
だが、その所を確認した瞬、警部補の顔が変わった。
13の未解決失踪事件。
斉藤さゆり。
その名が資料に残っていた。
警部補はすぐに保管庫へ向かった。
埃をかぶった古い段ボールをく。
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から現れたのは、伊藤刑事が残した膨な捜査記録だった。
何もかけて資料を読みめる。
すると次第につの流れが浮かびがった。
妊娠。
嫁姑対。
消えた100万円。
夜の異音。
シャベル。
亀。
そして匿名話。
警部補は確信した。
誰かが今になって真実を語ろうとしている。
そしてその誰かは、当の関係者である能性がかった。
警察は再捜査を始した。
アパートの管理会社へ連絡し、所者へ事を説した。
正式な許を取得した、発掘作業が始まった。
所は、かつて亀が置かれていたと記録されている点だった。
ショベルカーがを削る。
捜査員たちが慎に掘りめる。
始から数。
現の空気が変わった。
作業員が声をげた。
「何かあります!」
全員が集まった。
のから現れたのは骨だった。
発掘された骨は慎に回収された。
鑑定が始まった。
数週。
科学捜査研究所から結果が届く。
遺骨は女性のもの。
齢は30歳。
さらに驚くべき事実が判した。
骨盤周辺から胎児の痕跡が発見されたのである。
妊娠の女性だった。
さゆりさんと致した。
そして蓋骨には確な損傷が残っていた。
部の陥没骨折。
転倒事故では説できない。
い衝撃を受けた痕跡だった。
つまり。
さゆりさんは自ら姿を消したのではない。
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殺害されていた。
13。
あの夜。
庭のに埋められていたのである。
警察署内は騒然となった。
失踪事件は殺事件へ変わった。
当の関係者が再び捜査対象となった。
だが問題もあった。
既に13が経過していた。
くの証拠は失われている。
現は消えている。
記憶も曖昧になっている。
それでも警察は再びきした。
警部補は最初に斉藤ふみを訪ねた。
当58歳だったふみは71歳になっていた。
しかし警部補が遺骨発見を伝えた瞬。
ふみの顔がらかに変わった。
ほんの瞬だった。
だが確かに変わった。
警部補はその反応を見逃さなかった。
再聴取が始まった。
警部補は13の供述と現の証言を照らしわせた。
するとしずつ矛盾が見えてきた。
まず問題となったのは411の夜だった。
当ふみは、
「嫁は荷物をまとめててった」
と説していた。
しかし実際には財布もコートも残されていた。
さらに妊娠だった。
の理由も見つからない。
そして決定だったのが、亀だった。
13。
弟の雄はこう供述していた。
「姉に頼まれて亀をかした」
当はが分からなかった。
しかし今は違う。
その亀のから遺骨がている。
警部補は雄を再び呼びした。
雄は既に65歳を超えていた。
取調で向かいった瞬から様子がおかしかった。
落ち着かない。
線が泳ぐ。
汗を拭く回数が異常にい。
警部補は静かに資料を置いた。
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