"退職金三千万円と残高三千円の通帳" 第7話
「受け取り座変更申請に関する確認」
私はそので封をけたい気持ちを抑え、リビングへ戻りました。
テーブルので封筒をけると、には通と変更申請の控えが入っていました。
「受け取り座変更申請を受けましたが、確認が必な事項があります」
私は息を止めました。
私はそんな申請をしていません。
控えを見ると、署名欄には私の名がありました。
佐伯玲子。
けれど、その字は私の字ではありませんでした。
さらに連絡先欄には、私ではなく正隆の携帯番号。
変更の受け取り座の名義欄には、正隆の名がありました。
正隆は、私の企業の受け取り先まで、自分の座へ変えようとしていたのです。
企業の類を撮し、青先へ送ると、すぐに話が来ました。
「類を確認しました。玲子さんは、この申請をしていないのですね」
「はい。署名も私の字ではありません」
「ご本の署名に似せた申請で、ご主名義の座へ変更しようとしている。これは単なる夫婦喧嘩ではありません」
先の声は落ち着いていました。
けれど、言葉のさは分でした。
「かなり悪質です」
その言で、私は湯呑みを握るに力が入りました。
青先はな言葉を使う方ではありません。その先が、そう言ったのです。
「企業基には、こちらからすぐに確認します。
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玲子さんは類の原本を保管してください。ご主やお母様から連絡があっても、必以に話さないでください」
「分かりました」
話を切った、私は類をテーブルのに並べました。
婚届。
置き。
空になった引きしの写真。
義母の録音。
正隆の「の保証」発言。
企業の受け取り座変更申請。
机のに並んだそれらは、私が傷つけられた記録であると同に、私を守る武器でもありました。
その翌朝、親族の子さんから連絡が来ました。
子さんは、正隆の父方の親族で、親戚内の連絡役のような方です。いつも穏やかで、誰か1の話だけで決めつけるではありません。
メッセージには、こうありました。
「玲子さん、ご無汰しています。富さんからし聞いたのだけれど、丈夫ですか?もし話せるなら、1度きちんと確認したいです」
私はく息を吐きました。
やはり、義母はいていました。
自分に都のいい物語を、親族へ流し始めているのです。
私はく返信しました。
「ご連絡ありがとうございます。事実関係を理したでお話ししたいです。必な類と録音があります」
しばらくして、子さんから話が来ました。
私は録音を始めてから話にました。
「もしもし。玲子です」
「玲子さん、急にごめんなさいね。富さんから聞いている話がし気になって」
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「お母さんは、何と?」
子さんは言いにくそうにしを置きました。
「玲子さんが退職を隠して、正隆さんをから追いしたと」
予通りでした。
「追いしたのではありません。正隆さんが婚届と置きを残して、私の通帳と印鑑を持ってていきました」
話の向こうで、子さんが息をみました。
「通帳を?」
「はい。婚届には正隆さんの署名と印鑑があります。置きには、退職は慰謝料代わりにもらうといてあります」
「富さんから聞いた話と、ずいぶん違いますね」
「証拠はすべて残っています。録音もあります」
「録音?」
「義母が“嫁のは佐伯のもの”と言った話。通帳を持っていくよう正隆さんに言ったと認めた話。婚届の話もあります」
子さんはしばらく黙りました。
そして、ゆっくり言いました。
「玲子さん。親族を集めてごとにするに、まず私の方で話を止めます」
「止める、ですか?」
「ええ。富さんの話だけで親族が判断するのはよくありません。私からは、今は弁護士を通して事実確認だから、片方の話だけで広げないようにと伝えます」
「ありがとうございます」
「ただ、私もまだ類を見たわけではありません。だから玲子さんの方として騒ぐのではなく、事実確認として止める。それでいいかしら」
「はい。それで分です」
話を切ると、私はしだけ肩の力を抜きました。
義母の嘘は、完全には広がりませんでした。
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