"龍神窟に眠る約束" 第4話
窓の向こうに、哲也がいた。
ので、くをげていた。
カメラマンが声で言った。
「あの、昨のご友ですよね」
美咲はたい声で答えた。
「撮り続けてください」
そのの夕方、美咲が事のため宿をれたわずかなに、誰かが部へ侵入した。
価な撮材にはをつけず、取材ノートとバックアップ用のハードドライブだけが消えていた。
交番へっても、若い警官は面倒そうに類をくだけだった。
「空き巣でしょうね。戸締まりに気をつけてください」
美咲は交番をた。
たい夜気ので、自分が巨な壁に囲まれていることを悟った。
その夜、宿に戻った美咲の携帯話が鳴った。
見らぬ番号だった。
「菊池美咲ディレクターでいらっしゃいますか」
受話器の向こうから、若い女性の切迫した声が聞こえた。
「はい、そうです」
「島野療養病院の護師です。岩崎という方が、危篤状態であなたを探しておられます」
美咲の臓がく鳴った。
岩崎。
その名には覚えがあった。昔、でを操っていた老だ。20の事故の、姿を見かけなくなったと聞いていた。
美咲はすぐにをらせた。
病院の3階。消毒液の匂いがを刺す病で、青い顔をした老が酸素吸入器に頼りながら横たわっていた。
のが濃く落ちた顔ので、目だけが妙にくっていた。
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「美咲……ディレクターか」
老はかすれた声で尋ねた。
「はい。私が美咲です」
美咲はベッドの横に子を引き寄せた。
老の目元から涙が流れた。
「菊池幸子……あの女の娘さんだな」
美咲は息を呑んだ。
「母をごじなんですね」
「すまなかった」
岩崎は震えるを伸ばした。
「わしが……わしが本当にすまなかった」
美咲はそのを握った。氷のようにたかった。
「20、何があったんですか」
岩崎は苦しそうに息を吸い、途切れ途切れに話し始めた。
「嵐が吹き荒れたあの夜、わしはのを操縦しておった」
美咲はを乗りした。
「の?」
「密輸品じゃ。国からこっそり持ち込んだ骨董品。価なものばかりだった。龍神窟へ通じる、わししからん秘密の航があってな。わしは案内をさせられておった」
美咲の喉が乾いた。
「そこで、母たちを見たんですか」
岩崎はさく頷いた。
「龍神窟のくだった。あんたのお母さんたちが、わしらのを見た。見てはいけないものを見てしまったんじゃ」
病の械音が、やけにきく聞こえた。
「その、どうなったんですか」
美咲の声は震えていた。
岩崎は目を閉じた。
「が叫んだ。あの女たちを止めろ、と。わしは怖くなって、港へを戻した。全部見たわけじゃない。だが、あの5がただの事故でんだんじゃないことだけは分かっておる」
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美咲は唇を噛みしめた。
20、胸の奥に沈んでいた疑いが、はっきりと形を持ち始めた。
岩崎は最の力を振り絞るように体を起こした。そしてベッドのを探り、埃まみれのビニール袋を取りした。
「これを……持っていけ」
には古びた図が入っていた。
赤い線で、公式の図にはない航が描かれていた。
「龍神窟の本当の入りだ。誰もらん。の密輸だけが使っていたじゃ」
美咲は震えるで図を広げた。
「なぜ、今になって……」
「ぬに、あんたのお母さんにしでも罪滅ぼしがしたかった」
岩崎は、美咲のをく握った。
「本当に……すまなかった」
その言葉を最に、老は力尽きたように目を閉じた。
病院をた美咲の腕を、誰かがくつかんだ。
振り返ると、青ざめた顔の哲也がっていた。
「美咲、頼む。もうやめてくれ」
「どうしてここにいるの」
美咲は腕を振り払った。
哲也は必だった。
「その図を警察に渡して、ここをれ。これ以掘りげたら、おまで危なくなる」
「あなた、何をってるの」
哲也は目を逸らした。
「俺は……ただ、おが配で」
「嘘」
美咲の声はたかった。
「あなたがに報告しているところを、この目で見た」
哲也の顔が歪んだ。
「仕方なかったんだ。親父が病気で、がに借漬けにされてた。治療費のために……」
「それで友達を裏切ったの?」
美咲の目に涙が浮かんだ。
「私の母を、度も殺すつもりなの?」
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