"龍神窟に眠る約束" 第6話
モニター越しに映しされる洞窟の内部を、誰もが言葉を失って見つめていた。
5つの遺骨は、まるで最の瞬まで互いを支えっていたかのように、くに寄り添って横たわっていた。周囲には、女たちの具が散乱していた。浮き樽の破片、古びた網、割れた貝殻、そして朽ちた潜の布。
美咲は涙を拭いながら、モニターにづいた。
「班、側を拡してください」
ロボットのカメラが、遺骨の傍らに置かれたきな箱へ向いた。
箱は湿気で腐り、板の隙からのが漏れていた。ロボットのライトが当たると、に入っていたものがはっきり映った。
玉璽をわせるの印章。
陶器。
古い仏像。
巻物。
いを経てもなお、異様なを放つ文化財の数々だった。
太田班がく呟いた。
「これは……密輸文化財だ。数億円規模になるぞ」
美咲は拳を握りしめた。
母たちは、ただに潜りにっただけではなかった。
見てはいけないものを見てしまったのだ。
20、が隠したかったもの。
それが今、底洞窟ので姿を現していた。
「もう1体、奥を映して」
美咲は震える声で言った。
ロボットのカメラが、遺骨の1つにづいた。
胸元に残った布の切れ端には、幸子が使っていたさな印があった。母のものだった。
美咲は両でを覆った。
ロボットのライトが、遺骨の元を照らした。
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そのの骨のに、何かが挟まっていた。
く、虹のを残したさなもの。
貝殻だった。
20、美咲と半分に割った約束の貝殻。
母のは、の直までそれを握りしめていた。
美咲はポケットから自分の貝殻を取りした。震える指で、それをモニターのに掲げる。
画面のの貝殻と、のの貝殻。
2つは、違いなく1つの貝殻だった。
「お母さん……持っていてくれたんだね」
涙が止まらなかった。
太田班は静かに指示をした。
「映像をすべて記録しろ。位置報、文化財、遺骨、全部だ。これはもう番組の取材だけじゃない。事件だ」
その頃、の腹では、哲也がの部に取り押さえられていた。
「裏切りやがって」
部が鳴った。
哲也は面に押さえつけられながらも、息を荒げて叫んだ。
「もう終わりだ。全部見つかった。もう隠せない」
その声は、のにまれていった。
探査はすぐに保庁と警察へ連絡を入れた。最初は信じなかった関係者も、送られてきた映像を見て態度を変えた。
龍神窟の底洞窟から5の遺骨と、量の密輸文化財が発見された。
そのらせは、静かだったを瞬で揺るがした。
港には警察両と報陣が押し寄せた。
の事務所にも、捜査員が入った。
美咲は港からそれを見ていた。
20、を支配してきた男の建物が、初めてからの力に踏み込まれていく。
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哲也は警察に保護され、妨害装置のこと、からの指示、借で縛られていた事を証言した。
岩崎の図も証拠となった。
美咲の撮した映像も、すべて提された。
の老たちは、公民館でを閉ざしていたとは違い、しずつ話し始めた。
「あの夜、のがていたのを見た」
「女たちが何かを見たらしいという噂はあった」
「怖くて、誰も言えなかった」
真実は、20かけてようやく面へ浮かびがっていた。
けれど美咲の胸にあったのは、勝利のびではなかった。
母は戻ってこない。
5の女たちは、もう度とから帰ってこない。
それでも、母のに握られていた貝殻だけが、美咲に伝えていた。
約束を忘れていなかった、と。
数、龍神窟で発見された5の遺骨は、正式に元確認がめられた。
の公民館には、20と同じように祭壇が設けられた。けれど今回は、遺体のない葬儀ではなかった。
5はようやく族のもとへ帰ってきた。
祭壇の央には、菊池幸子の遺が置かれていた。20と同じ写真だったが、美咲の目には違って見えた。
あのは、母がに消えてしまったとっていた。
今は違う。
母は20、暗い洞窟ので、真実を守り続けていたのだとえた。
美咲は喪姿で祭壇のにった。
には、自分の貝殻と、母のから回収されたもう半分の貝殻があった。
2つをそっとわせると、ぴたりとなった。
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