"志摩の海に沈んだ母" 第3話
1、2、5、10。
梅野を覚えているも、1また1と減っていった。女仲はを取り、所のも引っ越していった。事件は忘れられたように見えた。
しかし2010923、京の国税庁調査第4部で、眠っていた事件が再びきした。
税務調査官の井玲は、港区にある雑居ビルの課税資料を確認していた。画面を見ていた彼女は、ふと眉をひそめた。
「これ、ちょっとおかしいんですけど」
同僚が席をち、画面を覗き込んだ。
「何がですか」
「このビルの所者が島梅野になっています。でも民票をたどると、1994から方扱いなんです」
「くなったじゃないんですか」
「いいえ。ではなく、失踪です。なのに、建物の名義移転が199410になっています」
同僚は首をかしげた。
「方のが名義移転をしたんですか」
「そこがおかしいんです」
国税庁はすぐに実際の管理をたどった。そこでてきた名が、島正斗だった。
建物の価値はおよそ3億円。1階は売、2階から5階までは事務所が入る5階建ての雑居ビルだった。賃収入だけでも、200万円を超えると見られた。
国税庁から通報を受けた警察は、16の事件を再捜査することを決めた。
担当になったのは、森英造警部補だった。48歳。20以、凶悪事件を扱ってきた刑事だった。
「1994の事件記録を全部持ってこい」
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森は机のに古いファイルを広げた。保部の捜索報告、族の供述、所の証言。は黄ばみ、のみをじさせた。
彼は記録を読みめながら、点をきした。
失踪夜の言い争い。
5000万円の借。
財産相続の問題。
末子への疑い。
森はくつぶやいた。
「は分だ。なのに、どうして件できなかった」
横にいた刑事が答えた。
「骸も、物証もなかったからです」
森はファイルを閉じた。
「なら、今度こそ物証を見つける」
彼はすぐに港区の雑居ビルへ向かった。管理事務所で帳簿を確認すると、名義移転は19941018。所者は島梅野。だが実際に管理し、賃を受け取っていたのは島正斗だった。
森は登記簿謄本を取り寄せ、さらに印鑑証の発記録を調べた。
そこで、決定な矛盾が見つかった。
印鑑証の発は、1994105。
梅野が失踪した約3かだった。
森は類を机に置き、静かに言った。
「方のが、どうやって印鑑証を受け取ったんだ」
事件は再び、面へ浮かびがった。
森はへ向かい、正斗を呼びした。
201010、県警の取調。51歳になった正斗は、髪にいものが混じり、顔にい皺が刻まれていた。
森は港区のビルの登記簿謄本を机に置いた。
「これは何ですか」
正斗は類を見て、唇を舐めた。
「母の建物です。
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私は管理しているだけです」
「名義移転が199410になっています。お母さんは7に失踪していますね」
「母が失踪するに、私にくれたんです」
「では、なぜ移転は10なんですか」
正斗は目を泳がせた。
「あのは母を探すのに気が転していました。で片付けているうちに、母が私にやると言っていたのをいして」
森は机を軽く叩いた。
「嘘をつかないでください。印鑑証の発は105です。その、お母さんはもう3かも方でした」
正斗は黙り込んだ。
森は、男の健と次男の信夫からも話を聞いた。2は、1995頃に正斗からを分けられたことを認めた。
「正斗が類を全部揃えてきました。母がくなったようなものだから、財産を理しようと」
健は困った表でそう話した。
信夫も同じだった。
森は確信した。正斗は母の名義を勝に使い、財産を処理していた。
20101020、再捜査班は浜にある梅野の古いを再び調べた。16のには荒れ、は錆び、庭には雑が伸びていた。
科学捜査班が入り、奥のに薬品を吹きつけた。かりを消し、特殊なを当てた瞬、の隅にかすかな反応が現れた。
「血痕の能性があります」
タンスの裏側の、壁の角。極めてわずかだったが、血の反応があった。
鑑定の結果、血液型はB型。梅野の血液型と致した。
DNAは傷みすぎて取りせなかったが、森は諦めなかった。
「もっと探せ。何か残っているはずだ」
さらに台所のかまどののから、さな属片が見つかった。
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