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志摩の海に沈んだ母

志摩の海に沈んだ母

海辺の梅ノート 完結 0

1994年、三重県志摩の小さな漁村で、70歳を過ぎても海に潜り続けていた海女・高島梅野が突然姿を消した。 その朝、海は穏やかだった。仲間の海女たちは確かに梅野の姿を見ていた。けれど日が高くなっても、彼女だけが水面に戻ってこなかった。捜索は続いたが、亡骸も道具も見つからない。 事故なのか、失踪なのか。 梅野には3人の息子がいた。東京に住む長男、大阪で商売をする次男、そして島に残って母の近くで暮らしていた末の息子・正斗。やがて警察は、梅野が持っていた土地と、息子たちの金銭問題に目を向ける。 だが決定的な証拠はなく、事件は海に沈むように忘れられていった。 それから16年後。 東京・港区で、行方不明のはずの梅野名義の「3億円ビル」が見つかる。しかも名義移転は、彼女が姿を消した後に行われていた。 誰が、母の名義を使ったのか。 古い家に残された血痕、かまどの灰から出てきた金の指輪、そしてタンスの奥に隠されていた一通の遺言書。 志摩の海に消えたはずの真実が、16年後、静かに浮かび上がる――。

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