"妻のポーチから見つかった結婚指輪" 第17話
彼らは自分たちがこの物語の支配者であり監督であると信じて疑っていない。
私は音をてずに控えへと戻った。隣に座る吉田弁護士と瞬だけ線が交差する。吉田弁護士は穏やかにつ頷いた。
「佐藤さん、そろそろおです。」
寺の職が襖をけ、本堂への移を促した。親族たちがちがり、母の乗った子を押しながら移を始める。最尾寄りを歩く弓が私の横に並んだ。
「誠さん、終わったらちゃんとお話ししましょうね。あなたのから皆さんに説してちょうだい。」
弓は親族には聞こえないようなさな声で私に囁いた。その言葉の裏には、さっさと婚の報告をして私を解放しろという烈な命令が隠されていた。
「ああ、分かっている。全て僕のから説するよ。」
私が静かに答えると弓は満げに角をげた。
本堂には静寂と共に線のりがち込めていた。読経が始まり、お経の音が荘厳に響き渡る。私は目を閉じ、き父の位牌にをわせた。
父さん、母さんのことは僕が絶対に守り抜くから。この神聖な所でこれから起こる修羅を、どうか許してほしい。
約分の読経と法が終わり、私たちは再び広い控へと戻った。お弁当とお茶が用され、親族たちがやかな雰囲気で席につく。私の母は施設の柔らかい事をにし、「美しいね」
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と微笑んでいた。
その温かい空気を切り裂くように弓が私に線を送ってきた。さあ、く言いなさいよ、とせかすような徹な目。
私は元に置いた黒い鞄からあの分いファイルを取りし、ゆっくりとちがった。部の空気がふっと静まる。親族全員の線が私に集まった。
「皆様、本はお忙しい、父の回忌にお集まりいただき本当にありがとうございます。」
私の声は驚くほど落ち着いていた。
「事のに皆様に、そして母にどうしてもお伝えしなければならないなご報告があります。」
弓がわざとらしくしげな顔を作り、ハンカチを握りしめた。彼女は私がこれから、自分の至らなさから弓と婚することになった話を始めるのを待っているのだ。
しかし私は弓から線をし、隣に座る吉田弁護士へと向き直った。
「そのご報告は単なる庭内の問題ではなく、法な問題が絡む非常に刻なものです。ですので、ここからは私の代理である吉田弁護士から皆様にご説させていただきます。」
その言葉を聞いた瞬、弓の顔からさっと血の気が引くのが分かった。
「え、だ、代理?」
弓のさな呟きが静まり返った部に響いた。彼女は今ようやく気がついたのだ。目のにいる男がただの遺産相続の相談役ではなく、私のためにいている反撃の方であることに。
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「代理?誠さん、何の話をしているの?弁護士ってどういうこと?」
弓の顔から、完璧な良妻の仮面が気に剥がれ落ちた。彼女の目は泳ぎ、震えるでハンカチを握りしめている。その狼狽ぶりは、先ほどまでの劇のヒロインの演技とはらかに異質だった。
親族たちも突然の展に戸惑い、ざわめき始めていた。
「誠君、どうしたんだい?弁護士さんって、お母さんの財産管理のじゃなかったのか?」
親族のまとめ役である叔父が困惑した顔で訪ねてきた。
私が答えるより先に、隣につ吉田弁護士がく静かな声でをいた。
「皆様、混乱させてしまい申し訳ありません。私は佐藤誠さんの代理を務めております。弁護士の吉田直と申します。本私がこのに同席させていただいたのは、誠さんのお母様の財産を守るため、そして誠さんの妻である弓様が引き起こした極めて悪質な財産横領と貞為の事実を、ご親族の皆様に正確にお伝えするためです。」
「嘘よ、でたらめよ!誠さん、このなんなの!私を陥れる気なの!」
弓は子から弾かれたようにちがり、切り声をげ、親族たちに向かって必に訴えかけ始めた。
「皆さん信じないでください。私はずっと誠さんから精神な虐待を受けてきたんです。事を全部押し付けられて、義母さんの介護費用まで私に払えって暴言を吐かれて、私はもう限界で、だから婚をお願いしたんです。
」
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