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18万円の甘い嘘

18万円の甘い嘘

夜明けの家計簿 完結 94

62歳の桂木節子は、夫を亡くしてから一人、わずかな年金と弁当工場のパート代で暮らしていた。 暖房代も食費も削り、1円の無駄も許さず生きてきた彼女。そんな節子がある夜、帰りたくない寂しさに押され、新宿のホストクラブの扉を開けてしまう。 そこで出会った若いホスト・涼介は、荒れた手を見て「素敵ですね」と微笑んだ。 誰にも褒められず、誰にも必要とされない日々の中で、その一言は節子の心を簡単に揺らした。最初は一度だけのつもりだった。けれど、優しい電話、甘い言葉、「特別」という囁きに、彼女の生活は少しずつ壊れていく。 貯金は消え、借金が増え、仕事も失いかけた時、節子はようやく気づく。 自分が本当に求めていたのは、若い男の笑顔だったのか。 それとも、ずっと言えなかった「寂しい」という一言だったのか――。

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