"18万円の甘い嘘" 第8話
登録料20万円。
通常40万円のところ、今だけ半額。
節子の覚なら、以なら絶対に払わない額だった。
なのに今の節子には、
「20万円払えばが変わる」
という言葉の方がく見えた。
担当の田という女性は話でるく言った。
「くの方が1か以内に素敵な方と会っていますよ」
節子は再び信じた。
料と、借りたの残りをかき集めた。
20万円を支払った。
週末。
紹介された男性と都内のカフェで会った。
60代。
グレーのスーツ。
穏やかな紳士。
そう聞いていた。
しかし実際に現れた吉田という男は、酒臭く、目が充血していた。
スーツも汚れている。
「寂しいんだって?」
席につくなり、馴れ馴れしく節子のを握った。
節子は嫌悪を覚えた。
違う。
聞いていたではない。
「すみません、お洗いへ」
席をち、そのまま帰ろうとした。
だが吉田が追いかけてきた。
腕を掴まれた。
「どこくんだよ」
「してください」
「払って紹介してもらったんだろ。最まで付きえよ」
節子の背筋がえた。
これは会いではない。
自分はまた騙されたのだ。
「助けてください!」
節子が声をげると、周囲のが振り返った。
「何してるんですか」
数がづいてきたため、吉田は舌打ちしてをした。
「使えねえな」
その言葉を残してった。
節子はそのへ座り込んだ。
20万円。
また消えた。
帰宅、担当の田へ話した。
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「紹介された、話が違います」
『何がですか?』
「返してください」
話の向こうで、女が笑った。
『契約、読みました? 返できないといてありますよ』
「そんな……」
『それに騒いだら、困るのは桂さんですよ』
女の声がたくなる。
『職にられたくないでしょう?』
節子は何も言えなくなった。
話が切れた。
また騙された。
ホスト。
融業者。
紹介サービス。
何かを取り戻そうとするたびに、さらにい穴へ落ちていく。
その夜、節子は焼酎を気にんだ。
酔えば忘れられるとった。
忘れられなかった。
翌。
へってもミスばかりだった。
田に鳴られた。
田に配された。
午。
また佐藤から返済の話が来た。
節子は支払えないと答えた。
話を切った、もう本当に何も残っていなかった。
も。
信用も。
気力も。
その夜。
節子のに初めて、
「全部終わらせれば楽になるのではないか」
という考えが浮かんだ。
夜。
節子は酒に酔ったままへた。
たいのを、目もなく歩いた。
気づけば古い銭湯のにっていた。
若い頃、正雄と暮らし始めた頃に何度か来たことのある銭湯だった。
節子は料を払い、へ入った。
浴にはほとんどがいない。
湯へ体を沈めると、久しぶりに全が温まった。
静かだった。
何も考えたくなかった。
節子はただ、苦しさから消えてしまいたいとった。
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だが、異変に気づいた清掃員に声をかけられ、節子はに返った。
「丈夫ですか?」
節子は何も答えられなかった。
「酔ってるなら危ないですよ。今はもう帰ってください」
銭湯をされ、の気に触れた瞬、節子は端へ座り込んだ。
自分は何をしているのだろう。
きることもできない。
終わらせることもできない。
へ戻ると、郵便受けにはまた督促状が入っていた。
携帯話には取りての着信が何件も残っている。
節子は源を切った。
翌。
インターホンが鳴った。
無した。
また鳴る。
やがてドアを叩く音に変わった。
「桂さん。いますよね」
内田の声だった。
節子は震えながらドアをけた。
内田は部へ入り、辺りを見回した。
価値のある具はない。
級品もない。
「持ちですか?」
「賃貸です」
男は骨に舌打ちした。
「本当に何もないんですね」
節子は俯いた。
しばらくして、内田は名刺を枚置いた。
「働いて返す方法もありますよ」
『ナイトワーク紹介センター』
節子は文字を見つめた。
「夜の仕事って……」
内田は曖昧に笑った。
「いろいろあります」
62歳。
自分が夜の仕事など。
最初はあり得ないとった。
しかし翌、さらにきな問題が起こった。
で田に呼びされた。
「桂さん、最休みがすぎます」
節子は黙って聞いた。
「先だけで5。それに勤してもミスばかりです」
「すみません」
「それだけじゃない」
田は机のの類を見た。
「この、借関係のがまで来ました」
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